自転車ヘルメット着用努力義務化から1年 780万円投じて寄贈も…「着けたくない人が多くて着けてない感じです」
「1550ニュースレーダーWith」と連動して視聴者の皆さんと1つのテーマについて考えます。今回は努力義務となった「自転車のヘルメット着用」についてです。去年警察庁が発表した調査では本県の着用率は全国ワースト2位でした。
Withが行ったアンケートでは努力義務となってから1年経過しましたが自転車に乗る時にヘルメットを着用するようになったが33%一方で67%がしていないと答えていました。ニュースレーダーでは着用率の改善に向けた課題を探りました。
自転車はヘルメットの着用が去年4月1日改正道路交通法の施行で努力義務化されました。
警察庁が去年7月に調査した結果、県内の着用率は2・5%と全国平均の13・5%を大きく下回り、全国で2番目に低い結果となりました。
警察によると県内で自転車に乗り交通事故で犠牲になった人は去年までの5年間で24人に上り、ヘルメットの着用率は8・3パーセント。もし着用していれば被害を軽減できた可能性があります。改善に向け警察や交通安全団体による活動が行われていますが独自の取り組みで着用を働きかける地域もあります。
★青森放送 油川 修一 記者
「黒石市ではこのようなヘルメットを小中学生に無償で配布しました。その活用状況を取材しました」
黒石市では努力義務となることを踏まえ市内の小中学生にヘルメットを無償で支給する事業を始めています。
小中学生は事前にサイズを計りデザインや色を選ぶことができます。ことしの3月末までに支給対象の8割に配布しました。
県内10市に取材したところ平川市では購入費の一部を助成していますがヘルメットを無償で支給しているのは10市の中では黒石市だけです。
着用を習慣化してもらおうと780万円を投じた事業ですが・・・
記者が30分ほど通学路に立った際はヘルメットを着用した中学生の姿はほとんど見られませんでした。中学生に聞いてみると・・・
★黒石市の女子中学生
「着けるの自由みたいな。着ける人はいるけど着けたくない人が多くて着けてない感じです」
「見た目的にもダサいかな」
「それもあるよね」
★黒石市の男子中学生
「1回事故に遭ったら着けると思います」
この現状を教育委員会に尋ねてみると・・・
★黒石市教育委員会 山内孝行 教育長
「学校の先生がヘルメットを着けることを強く子どもに教えるというところまではまだ意識が高まっていなかったと反省しています」
その上で
★黒石市教育委員会 山内孝行 教育長
「まだ始まって1か月ちょっとですが、実際に配布したけれどもあまり使われていないので、なんとか使われるような指導をお願いしますということで各学校や先生方、保護者、PTAに呼び掛けていきたい」
あくまで着用は努力義務。個人の判断に委ねられます。
ヘルメットを取り扱うお店では売れ行きに変化はあるのでしょうか。
こちらではカジュアルなタイプが人気でつば付きや見た目が帽子のようなデザインが注目を集めているそうです。
お客さんの変化についてお店の人は…
★サンデー青森浜田店 三上儀峰さん
「去年からもお問い合わせをいただいているんですがお年を召した方からの問い合わせも多くなっていることは興味が高くなっていると感じております」
種類も豊富で親子で来店しお互いのヘルメットを選んで買う家族もいるとのことで着用者は少しずつ増えていきそうです。
去年の調査で着用率が全国で最も高かった愛媛県は2015年に県立学校で通学時の着用を義務化。それは前年に高校生の自転車による死亡事故が相次いだことがきっかけだったといいます。
JAFの実験では自転車同士が時速20キロで出会い頭で衝突した際、ヘルメット非着用時は着用時と比べて頭部への衝撃はおよそ17倍でした。
★JAF青森支部推進課 中園浩二 課長
「事故があって頭を打って、後遺症を負ってからだと遅いので頭を守ることがいかに大事かということをもっともっとやっぱりJAFも含めてPRをしていかないとダサいからっていう理由に負けてしまうんでそれに勝る教育がやっぱり必要ですよね」
危険性を理解し着用を習慣化することが悲惨な事故の防止につながります。