松山市の大街道に屋台がズラリ…運営するのは小学生!オリジナルメニューでグランプリ目指す子どもたちの挑戦
アツアツのお好み焼きにフルーツたっぷりのスイーツ、チーズホットクも!これらのメニューは屋台で販売されたものなんです。
屋台の主役は意外な人たち!県産食材で1位を目指す屋台選手権を取材しました。
「いらっしゃいませ~!」
「おいしいですよ~ネギチヂミどうですか~」
松山市の大街道にずらっと並んだ屋台。ちょっと変わった屋台なんですが、分かりましたか?
実は、これらの屋台の経営者は小学生なんです。
5万円の資金で200食用意せよ!お題は “県産食材”使ったオリジナルメニューの販売
「まつやまこども屋台選手権」は、松山市内の小学4年生から6年生が4人から8人のチームを作り、屋台を出店します。大人はあくまでもサポート役です。
総合プロデューサー 山本智紀さん:
「キャリア教育の一環として商売をするという生きていく上での社会の基礎基本をこの小学校4年生から6年生の間で体感をしてもらえる取り組みができたらなと」
材料費は5万円、子どもたちは、この予算内で、県産食材を使った200食の料理を用意し販売しなければいけません。商品を販売するだけでなく、お客さんの投票で順位が決まるという、屋台同士の戦いでもあるんです。
エントリーしているのは10チーム。学校の同級生や近所のともだち。いとこ同士や幼馴染などさまざまなグループが、アイデアと工夫を凝らしたメニューで勝負します。
本番を2週間後に控えたこの日。
主催者:
「松山子ども屋台選手権の出場許可証並びに、事業費となります現金を5万円お渡しさせていただきます」
子どもたち:
「ちゃんとあるか確認してって言われたよ」
「あるよ!」
主催者:
「お金というものを扱う事はすごい大事だよという事を身をもってしっかりと学んでほしいと思います」
自分たちで鯛16匹の調達へ 食品ロスを減らすアイデアメニューも考案
子どもたちは、この資金で材料を調達します。
fit kids大森健太郎くん:
「鯛を買いに来ました。16匹分」
同じ体操教室に通う仲間で出場するこちらのチームが訪れたのは、市内の鮮魚店。
魚屋さん:
「これがアラ。頭と骨。これが身」
大森くん:
「あーでかいね」
メニューの目玉は、愛媛産の鯛です!
魚屋さん:
「1万7280円になります」
大森くん:
「1万円ってものすごく大金」
魚屋さん:
「頑張って作ってね!ありがとうございます」
仕入れた鯛で早速仕込みです!
大森くん:
「すごいですよ。このでかい鯛は。こんなにあるんですよ」
この鯛を使って作るのは…鯛めしの焼きおにぎりと、鯛の身入り玉子焼き、たいたま。
鯛の身は鯛めしに…鯛のアラも余すところなく使っていきます。鯛めしおにぎりと玉子焼きに、アラから取ったダシを使用。事前の計算では、32リットルのダシが必要になります。
ダシを取り終えたアラに残っている身も無駄にはしません。
大森くん:
「身を使って卵の中に入れる。SDGs食品ロスを少しでも減らすために玉子たいたまに入れます」
たいたま用の玉子300個と、鯛めし用の鯛の身の下準備も無事完了です。
いよいよ販売直前 用意する焼きおにぎりは400個!
販売開始4時間前。大森くんのチーム、会場近くで調理を進めます。
鯛めしが炊きあがりました。
「おいしそうですね。食べたいです、朝飯に」
炊きあがった鯛めしは型を使ってすぐに、おにぎりにしていきます。
Q.あと何個作る?
大森
「200人分なんで400個。まだまだです」
先生:
「スピードアップせないかんね」
大森くん:
「やる気しかない」
こちらでは…屋台で焼く、焼きおにぎりの練習です。
溶いた玉子と出汁を合わせて味付けした「たいたま」はタコ焼きの要領で丸く焼き上げて…
さあ、準備が整ったようです。
ユニークなオリジナル料理が集結!グランプリを決めるのは“お客さんの投票”
メニュー構想から3か月。決戦の舞台には10の子ども屋台が集結しました。
「愛媛と台湾が友好交流都市を結んでいるので」
自分たちで収穫した日浦産のお米とほうれん草を使った、台湾料理のルーロー飯に…
「愛媛と台湾が友好交流都市を結んでいるので」
自分たちで収穫した日浦産のお米とほうれん草を使った、台湾料理のルーロー飯に…
こちらは、メンバーのおじいさんが育てた中島産ミカンを使って作った「マリウィッチ」。マリトッツォとサンドイッチを組み合わせました。
子どもならではのユニークな発想が詰まったメニューが並びます。
お客さんは1セットで3食食べられる食券を購入し、これぞ!と思うメニューに1票を投じます。ということで、まずは、3食の一つに選んでもらうのがポイント!
そこで、大森くんのチーム、fit kidsはというと…
大森くん:
「飲んでみてください」
お客さん:
「ありがとう。おいしいね」
大森君:
「鯛の出汁がしっかり引き締まっているので先に飲んでほしいです」
「捨ててしまう鯛のアラで出汁を取って、たいたまにアラの身を入れてます」
お客さん:
「捨ててしまうやつで出汁を取る?すごいじゃん」
大森くん:
「持ち帰りパック一つ。どうぞ」
fitkids、売り上げを順調に伸ばしていきます。
試食した子ども:
「鯛の味がおいしかった」
残り時間もわずか。
「ルーローハンどうですか~」
「お好み焼きいかがですか~」
各チーム、最後の最後までお客さんにアピールです。
そして…
「終了~!!!」
いよいよ結果発表。グランプリは…
「テントナンバー10番!畑のがっこうとゆかいな仲間たち」
惜しくもfit kidsは入賞を逃しました。
大森くん:
「悔しい気持ちもあるんですけど頑張ったっていう気持ちもあります。おいしいって言ってくれる人もいたんで良かったです」
松山結さん:
「一杯売れたこと」
上田美月さん:
「お客さんに商品を買ってもらえるように頑張って声掛けしたところです」
竹箇平叶乃さん:
「お客さんに最初は大きな声で話しかけられなかったけどだんだん大きな声で話せた」
竹箇平由乃さん:
「たくさん声かけていっぱい買ってもらえた」
fit kids上場柾人先生:
「学校も学年も違うメンバーばかりだったんですけど、何を作るかって時に一生懸命アイデアを出して、作る時も一生懸命自分が何の役割ができるか探しながらやってたんで、賞は取れなかったけどすごくいい経験になったと思います」
メニューの考案から、仕入れ、調理、販売まで…屋台の運営を経験した小学生。
屋台には、ちょっと大人に成長した子どもたちの自信に満ちた表情と笑顔が溢れていました。