石鎚山で木が切られ落書きも…国定公園内での“破壊行為” 森林管理署が現場調査へ【愛媛】
愛媛が全国に誇る西日本最高峰、石鎚山。広範囲が国定公園に指定された豊かな自然が残る、地域の宝です。
そこで見つかった無残に切られた木と、ペンキようなもので描かれた落書き…愛媛のシンボルで何が?
きのう、SNSに投稿された写真。不自然に切断された木の写真と共に、次のようなコメントが。
「テープの巻いているところほぼ木が切られていました。最近のことのようです。綺麗だったシャクナゲのトンネルはもうありません。。。どなたがしたのでしょうか?」
投稿した渡部由香さん:
「多数が木が切られているのが見つかってオレンジのテープが巻かれていた。そのオレンジのテープが巻かれている周りの木が沢山切られて、枝が捨てられているような感じ。多かったのはシコクシラベの木とシャクナゲ」
この出来事が起こったのは愛媛のシンボル、西日本最高峰・石鎚山の頂上付近。山荘スタッフとして勤務する渡部さんと同僚が、おとといの下山中に発見したといいます。
広範囲が国定公園に指定されている、石鎚山とその周辺。
Q.切られている範囲はどれくらい?
渡部さん:
「多分距離にしたら1キロくらい」
県のレッドデータブックで準絶滅危惧に分類されるシコクシラベのほか、石楠花などを中心に、広範囲で多数の切断が確認されたといいます。
自然保護を図り、国民の保健や休養などに役立つことを目的に指定される国定公園。
石鎚山の環境保全などを行う愛媛県は。
愛媛県自然保護課 山内重宣 課長:
「(石鎚山は)自然景観や環境生物多様性の面でも非常に大事な地域の宝であるので、このような木を無断で枝を切るという行為があることは非常に残念。(山に)入る以上は基本的に何も手を付けないというのが基本的なルールだと思います」
これから本格的な登山シーズンを迎え、より多くの人が訪れる石鎚山。
山内課長:
「やはり登山のマナーをしっかり守ってもらうことと自然環境を保護する、保全するということで自然環境には手を加えないということを考えて利用してほしい」
木が切断された付近では、ペンキで描かれた矢印のようなものも見つかっています。
発見者 渡部由香さん:
「国定公園内なので木を切るとか石にペンキを書くとかとかは普通は誰もできない」
国民の財産ともいえる場所で起こった心無い行為。
発見者 渡部由香さん:
「言葉がないです。悲しくて。切った木は生えてこないので元には戻らない。自然の形というのが完全に壊されている、今回のは破壊行為に近い」
公園を管理する愛媛森林管理署もこの状況を把握していて、来週にも現場調査を行うとしています。