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ランナー熱走の裏で ドタバタの設営に救護の現場では…「愛媛マラソン」支える5300人のボランティア&スタッフたち

2024年2月16日 18:30
ランナー熱走の裏で ドタバタの設営に救護の現場では…「愛媛マラソン」支える5300人のボランティア&スタッフたち
「愛媛マラソン」支えるボランティア&スタッフたち

今年の愛媛マラソンをCH.4目線で振り返ります。きょうはランナーを支える人たちに密着。ドタバタのコース設置作業に、メイン会場のおもてなし隊、ランナーの命を守る救護スタッフも。1万人の挑戦の舞台裏です。

スタートの1時間半前、愛媛マラソンのスタート地点、県庁前に続々と集まってくる高校生たち。

愛媛陸協 中村浩輔さん:
「我々はパイロンを置いたりランナーが通過できるように整理しますのでとても重要な役割です。スタート遅れたらいけない」

彼らのミッションは1万人のランナーを送り出すスタート地点のセッティング。

午前9時。ランナーがスタート位置にスタンバイするまでの30分で、スタート地点前後のおよそ300mの区間に220個のパイロンやバーを設置しなければなりません。

高校生 パイロン係:
「4×3ね、3ずつ持ってきて」

中村さん:
「もうちょっと詰めて」

運休中の坊っちゃん列車も久しぶりに稼働!

とその時、県庁前やってきたのは…坊っちゃん列車!

さかのぼること1時間半前の道後温泉駅。

運転士:
「めっちゃピカピカやね。ここね、触ってなくても埃かぶるんよ」

運転士 城戸隆輔さん:
「久しぶりの運行なのでバッテリー外している状態なのでそこから始める」

愛媛マラソンでは毎年、スタート地点で汽笛を鳴らしながらランナーを見送る坊っちゃん列車。去年11月から人員不足のため運休していますが愛媛マラソンのためにと、この日は特別に運転士を手配してスタート地点に向かいます。

運転士 中屋博貴さん:
「久しぶりに動けるということで僕ら乗務員にとっても嬉しい」

3か月ぶりに坊っちゃん列車の制服に袖を通します。

運転士 城戸隆輔さん:
「きょうは愛媛マラソンのための特別なダイヤになるが気を引き締めてみなさんに笑顔でたくさん応えられるように声援を僕たちからも送りたい」

スタート直前、高校生が手掛けたコースづくりも無事完了、坊っちゃん列車も、スタンバイOKです。

高校生:
「スタート気を付けてさあ行こう!ケガだけはないように」
ランナー:
「ありがとう」

スタートしていくランナーに声援を送ります!

坊っちゃん列車も汽笛を鳴らしながらランナーを見送ります。

中屋さん:
「ランナーも沿道の人も声援と手を振ってくれたのでランナーの方も元気に走ってもらいたい」
城戸さん:
「みなさん笑顔で手を振ってくれたのでいいスタート切ってもらえたと思う」

1万人のランナーがスタートを切り、スタート地点も一段落かと思いきや…

アナウンス:
「パトカーが通過すると規制解除です。機材回収車が来ますのですべての機材を積み込んでください」

ここからは設置したスタートのコースを元通りにする作業へ!交通規制解除までの時間はわずか14分。急ピッチでパイロンを回収していきます。

中村さん:
「終わり!ありがとうちゃんとスタートできたけん、君らのおかげでね、ありがとう」

フィニッシュ地点ではランナーたちのおもてなし準備に大忙し

スタートから1時間半、金子選手が独走を続けるレース展開の中…フィニッシュ地点の城山公園ではランナーたちを迎える準備が進んでいました。

用意するパンは1万2000人分!だそうです。

こちらのブースでは…

出合のいも炊き会 金子由佳子さん:
「大きな鍋でだいたいするんですよそこから小分けしていくんやけどそれじゃ数が足りんけん ちょっと早めに。3千人分です」

大鍋以外にも9つの鍋も使っていもたきの仕込み真っただ中。

出合のいも炊き会 良野一生会長:
「松山の伝統の味をおぼえて食べていただいたらうれしいと思います」

一方、こちらは4年ぶり!

三浦工業 廣瀬研志さん:
「今ちょっと高めで43℃ぐらいには設定はしてるんですけど基本的には42.195℃を目指して」

ランナーの疲れをほぐす、道後温泉の源泉を使った足湯が4年ぶりにおもてなしブースに帰ってきました。

廣瀬さん:
「昔ながらの温度計で測りながら、あとは皆さんがゆっくりと疲れを癒してもらえればなと思います」

「自分たちのできることでエールを」高校生たちが連携プレイで大活躍

スタートから2時間半、フィニッシュしたランナーが続々とメイン会場へと帰ってきました。と、会場内の至るところにボードを掲げる高校生の姿が!

松山東高校1年生たち:
「これはシャッターボランティアです!走り終わった選手の写真を撮る係」
「(ランナーから)走り終わって、笑顔で走り切ったぞ!って覇気が感じられました」
「記念に残してほしいので」

一方、ランナーの手荷物を預かっているテントでは…

愛媛大学附属高校 1年生:
「11182!」「11952!」「11362です!」

高校生が数字を連呼!!

「遠くの方から見つけてなるべく早く言ってあげてスムーズに渡せるように」

読み上げていたのはランナーが付けているナンバー。待ち時間が短くなるよう、番号をいち早く伝える、見事な連携プレイで荷物を受け渡していきます。

「なんかもう、一種のスポーツみたいな感じ。自分たちのできることでエールを送れたらいいなと思ってランナーのみなさんも笑顔になってくれるのでそれが魅力」

ランナーが帰る前に、準備を進めていたおもてなしブースには…

4年ぶりの足湯に:
「足湯最高です!途中足の指の感覚がなくなるぐらい寒い時間もあったのでこのあったかさが天国です」

いもたきを食べた人:
「めっちゃおいしいです寒かったので温かいものが食べられてすごくうれしい」

「ありがたいですね。ただただありがたい」

400人の救護スタッフ 8つの救護所では医師たちが待機

こちらには、ランナーの“体調”に向き合う人たちがいました。フィニッシュまで残り3キロの松山市姫原の救護所です。

治療にあたっているのは、中予地区の医師や看護師。愛媛マラソンには体調不良のランナーに迅速に対応するため、コース上に8つの救護所を設置。

救護所以外にも、AEDを携帯して自転車で移動するスタッフや救命ランナーなど、あわせて400人近い救護スタッフが携わっています。

愛媛大学医学部附属病院 松本紘典医師:
「途中でふらふらして危なそうだっていうので、救命ランナーのほうが支えて連れてきてくれた」

こちらの40代の男性、最後の難関 平田の坂あたりからどこを走っているかわからない状態になっていたとのこと。

看護師:
「(血糖値)40もうちょいチョコレート。低血糖でしょうか」
松本医師:
「そうやね、低血糖だね」

松本医師:
「糖が下がったりするとエネルギーとかうまく使えなくなって体温が下がりやすくなるんだと思います」

続いては救護所にやってきたのはアルミブランケットを来た男性。

ランナー:
「1個手前のとこでもちょっと毛布かぶしてもらってだいぶ楽になりました」
医師:
「きょう寒いですからね」
ランナー:
「そうですね雨も降ったし」
医師:
「毛布でちょっと温まって」
ランナー:
「ありがとうございます」

走っている最中に吐き気を感じたといいます。この男性は、バスの中で休憩したあと無事にコースへと戻っていきました。

先ほどから治療が続く40代の男性は口から糖分を摂取しても血糖値が低いため、病院で点滴などの処置をすることになりました。

この男性はその後、病院での治療を終え無事に回復したということです。

松本医師:
「僕は応援したいってだけで、何かあったらサポートできたらなって。安全にいけたらいいですよねこういうイベントが」

県立中央病院 看護師 山口志帆さん:
「なんかあったときに自分ができる手助けが1つでもあればいいなと思ってやらせてもらいました」

5300人を超えるボランティアに、各分野でランナーをサポートするスタッフ。

ランナーたち:
「後半の高校生とかハイタッチしてくれて元気をもらえるのはとってもありがたいので自分からハイタッチしに行っている本当にありがたい」

「今年救護の方にお世話になりました。多分もつれたんだと思う。転んじゃいましてすぐに救護の人も来てくれてほんと助かりましたありがとうございました」

「感動しました最後の(フィニッシュ地点の出迎え)も みんなわーってやってくれて涙出そうになってフルマラソン50回くらい走っているが、そんな泣きそうなることないんですけど今回はすごく感動しました」

ランナーを全力で支える人たちの存在が、1万人の笑顔につながっていました。