帯広発大丸札幌店行きバスでショッピング…藤丸や長崎屋閉店の帯広市民狂喜のイベントその狙いは
札幌のデパートが、帯広市と札幌市の店舗をバスで往復する“お買い物イベント”を開催しました。
その狙いと背景とはー
2024年4月10日午前7時、帯広市で続々とバスに乗り込む人たちの姿がありました。
(参加者)「楽しみです。服とか見られたらいいな」
(参加者)「こういうイベントがあったらいいですよね」
目的地は、およそ200キロ離れた札幌のデパートです。
抽選で選ばれた80人が参加したのは、1日限定のお買い物イベントです。
企画されたのにはワケがありました。
帯広では2023年1月、市内で唯一のデパートだった「藤丸」が、多くの市民に惜しまれながら閉店しました。
さらに、大型商業施設の長崎屋帯広店も2024年3月末に完全閉店し、中心部から大型商業施設が姿を消しました。
(帯広市民)「マチに出てきても楽しみがなくなりました」
(記者)「買い物に困っていますか?」
(帯広市民)「完全に困っています。札幌に行ってついでに買い物してくるとか」
そこで、帯広周辺の需要を取り込もうと企画された今回のイベント。
到着したのはデパートの大丸札幌店です。
参加費は1人2千円ですが、店で使える2千円の商品券と千円分のランチ券が配布されるため、店内で買い物をすると実質無料となります。
(記者)「見る場所はたくさんありますよね」
(参加者)「見つけるのが難しい」
友人とイベントに参加した、帯広に住む女性です。
お目当ては夫の服。
じっくりと探し回って、紳士服コーナーで見つけたようです。
(参加者)「決めました。(夫が)5月2日に誕生日で91歳になるんですよ。それで何かと思ってお目当てに来たんです。やっと見つけられてよかったです。藤丸さんがなくなったので、こういうバスがあると買い物に来る人は増えると思います」
デパートにとっては新たな客層の掘り起こしにもつながります。
(大丸札幌店販売促進担当 藤尾智美さん)「藤丸さんが閉店されて、お買い物する場所が帯広は特にないと感じていたので、まずは帯広からお客様に買い物に来ていただきたいという気持ちがあったので、帯広に決めました。お客様を拡大したいというのは常々ありますので、北海道の皆様にご利用いただけるような百貨店になりたいと思っています」
次々とデパートが姿を消し、一極集中が続く中、地方の需要を取り込もうとあの手この手の模索が続きそうです。