「指定野菜」で追い風?収穫量全国一のブロッコリー 生産拡大に期待も設備投資を懸念 北海道
実はブロッコリーの収穫量が全国一位の北海道!
2026年には「指定野菜」にも加えられる方針で追い風が吹いているのですが、ある懸念も抱えています。
札幌のカレー専門店です。
人気メニューに使われていたのが・・・
「欧風牛タンカリーの超山盛りブロッコリーです」
店自慢の牛タンカレーに、素揚げしたブロッコリーがひと株分盛り付けられてインパクト抜群です。
そのお味は?
(記者)「濃厚な牛タンカレーの旨みと素揚げしたブロッコリーの食感がとてもよくあっていておいしいです」
山盛りのブロッコリーは、数あるトッピングのメニューの中でもダントツの一番人気だといいます。
(欧風カリー ドモン 三田村誠也店長)「(客の)半分以上の方はブロッコリーをのせて召し上がっていただいています」
いま、全国的にブロッコリーの人気が高まっています。
1世帯あたりの購入量は、2022年までの10年間で3割増えるなど、年々需要が伸びています。
札幌市内のスーパーマーケットでは―
道内産のブロッコリーが並びます。
実は北海道は16年連続で収穫量日本一!
価格も安定していてよく売れているといいます。
(コープさっぽろ二十四軒店 尾崎武志店長)「北海道の人は地元のものを食べたいという志向はあると思います。売り上げは毎年好調に推移しております」
(客)「ほぼ毎日買います。孫たちがひと房を毎日、1日でなくなっちゃうので」
(客)「週3、4回くらいは買います。 健康を意識して」
ブロッコリーの作付面精は右肩上がりで、ニンジンや白菜を上回りました。
なぜブロッコリーだけ増えているのでしょうか?
(記者)「大きいですね」
(ブロッコリー農家 小松平幹夫さん)「これはいい出来だと思います」
羊蹄山の麓にある喜茂別町で12年前からブロッコリーを生産している小松平幹夫さんです。
(ブロッコリー農家 小松平幹夫さん)「手作業なので単収がいいんで、高収益なんで、機械のものだと機械代、設備投資しなきゃいけないんで」
ブロッコリーの収穫は手作業で、設備が必要ないので収益が高く、さらに植えてから60日ほどで収穫できるので生産性も高いといいます。
(ブロッコリー農家 小松平幹夫さん)「(作付面積は)めちゃくちゃ増えました最初は本当に1ヘクタールの半分くらいとか、0.5ヘクタールから10倍ぐらいになったんで。最高にいい感じのブロッコリーが取れる環境だったんで増えてきたなと思いますね」
ブロッコリーは“国民生活に重要な野菜”「指定野菜」に2026年度にも追加されることになりました。
JAも「指定野菜」に加わることを歓迎しています。
(JAようてい営業推進課 木村敏之課長)「指定野菜に選ばれたことで価格が下落したときの補償も出てくるので、生産者としては安定して安心して作りやすい作物になってくるかなと思っています」
「指定野菜」は、安定供給をはかるため、価格が大幅に下落したときなどに生産者に補助金を支給する制度があります。
収穫量の拡大が期待できますが、その一方で懸念もあるといいます。
(JAようてい営業推進課 木村敏之課長)「いまの施設でいくと今の量がいっぱいいっぱいっていうところで、もし増やすとなると今後氷詰めであるとか施設の整備等も必要になってくるかなという状況です」
これ以上ブロッコリーの収穫量を増やすには、10億円規模の巨額な費用をかけて設備投資する必要がありますが、その経費は生産者が負担しなければなりません。
(JAようてい営業推進課 木村敏之課長)「前向きには考えますけど、今の現状でいくと施設整備等を含めてまだまだいろいろなこと考えていかなきゃいけないかなという状況」
収穫量の拡大がもたらす巨額の負担。
「指定野菜」への追加を追い風とできるのか?
北海道のブロッコリー生産は新たな局面を迎えています。