“昼も眠らない街”すすきの 新ランドマーク開業で人の流れが激変 北の巨大歓楽街のいま 札幌
札幌・すすきのの新たなランドマーク「ココノ ススキノ」の開業から半年あまり。
想定を上回る550万人が訪れ、にぎわいを見せています。
その集客効果で人の流れが変わり、「眠らない街」すすきのが変わりつつあります。
すすきのの新ランドマーク 昼からビールを楽しむ人も
九州の食材をメインに使った揚げたての天ぷらに、
熱々の鉄板の上に特大のベーコンをトッピングしたナポリタン。
「ココノ ススキノ」の3階にある飲食店ゾーンです。
まだ明るい日中でも、友人とビールを片手におしゃべりをしたり、ランチを楽しむ人でにぎわいを見せていました。
(札幌市民)「おいしいものがすごく好きで、いろんなものがあったので楽しみの1つになって。いつも札幌駅まで行っていたんですけれども、ここで降りる楽しみができた」
(愛知から来た人)「以前はやっぱり昼間だと落ち着いた雰囲気というか人が目立たなかったんですけれども、いまこうやって見ると人の流れだったりとか、小さい子からおとなまで結構行き交うような瞬間が見られるので、だいぶ雰囲気は変わったと思います」
さらに館内を見渡してみると、テスト勉強をする高校生や軽い食事を楽しむ女子高校生の姿も。
これまで、すすきのではあまり見られなかった光景です。
(樋口記者)「平日の日中の時間帯ですが、すすきの駅周辺はココノ ススキノを中心に人の流れができています」
“昼も眠らない街”がコンセプト
地下鉄南北線・すすきの駅直結と利便性が高く、札幌市民や多くの観光客が訪れている「ココノ ススキノ」。
昼も眠らない街をコンセプトに、映画館や飲食店など現在70店舗が営業しています。
(ココノ ススキノ 志村敦史総支配人)「まず午前中はですね、ご高齢者の方々が来られてゆったり買い物をしながら過ごしていただき、お昼過ぎになってきますといわゆるベビーカーを連れた主婦の方たち。夕方になるとですね、いままではあまり考えられなかったんですけれども、学生さんたちが3階のフードホール等で勉強をして和気あいあいとしながら過ごされている」
時代とともに姿を変える“すすきの”の玄関口
1974年に札幌松坂屋がオープンし、その後、ヨークマツザカヤ・ロビンソン百貨店と時代の変化とともに、すすきのの玄関口は姿を変えてきました。
そして、2003年から親しまれてきた「ススキノラフィラ」が4年前に閉館。
2023年11月、すすきのの新たなランドマークとして誕生したのが「ココノ ススキノ」です。
(宮崎記者)「きっと寒かったでしょう!オープンを待ちわびた方が続々と入ってきます」
初日にはオープン前から1500人が列を作り、大混雑となりました。
「ココノ ススキノ」の開業ですすきのの街は変わりつつあります。
およそ3000軒の飲食店が並ぶすすきの。
コロナ5類移行後、初めての忘年会シーズンには、タクシー待ちの行列ができるほど「眠らない街」として活気にあふれていました。
「ココノ ススキノ」開業で人の流れに変化
そのすすきので人の流れが変化しているといいます。
スマートフォンの位置情報をもとに人流データを分析している札幌市立大学AITセンターです。
すすきの駅周辺の人の流れをコロナ禍前と比べてみるとー
(札幌市立大学AITセンター 高橋尚人センター長)「1つは夜のピークが変化してきているということですね。トータルの量としてもちょっと落ちているのと、ピークの時間帯が早まっているというのが夜の人流の変化でして、昼間でいきますとコロナ前と比べると昼間の人出が増えているというのが全体的に言えると思います」
例えば、4月上旬の金曜日の人の流れを比較してみると、コロナ禍前の2019年は午後8時から午後9時ごろがピークだったのに対し、2024年は午後7時から8時ごろに前倒しとなっています。
さらに、夜の時間帯の人の数はコロナ禍前より減っているのがわかります。
その一方で、午前5時から午後5時までの人の流れは明らかに増えています。
(札幌市立大学AITセンター 高橋尚人センター長)「夜は生活様式が1つ変わって、夜すすきのに飲食に出かける機会が減るだとか、もしくは飲食に出かけるとしても早い時間に行くと。昼間の人流の増は、やはり再開発事業で新しく集客力のある施設ができたという影響はあると思います」
“夜の街”で昼から営業する飲食店も
「ココノ ススキノ」の開業は周辺の飲食店にも影響を及ぼしています。
夜の営業が中心だった飲食店は「午後2時から営業」や「昼飲み大歓迎」といった看板を目にするようになりました。
「ココノ ススキノ」の南側にあるジンギスカン酒場です。
2024年2月のオープンから昼の営業を続けています。
4月からは青空のもとで食事を楽しめるテラス席を設置しました。
(北海道ジンギスカン檸檬 宮越瑠花店長)「オープン当初は全然、やはりランチをやっていないというイメージが強くて来店人数も少なかったんですけれども。道内の方が昼飲みにいらっしゃってくれたりとか。土曜・日曜は(午後)1時だったり3時だったりという来店も多くなってきています」
オーストラリア産を中心に多くの種類のラム肉を取り揃えているジンギスカン。
昼の営業にも手ごたえを感じています。
(札幌市民)「前に比べたら人は増えてきたかなという感じはしますけれど。昼も夜も楽しめる場所を探して行ってみたいなと思います」
(札幌市民)「映画とか見に行くようになりました。ココノ ススキノにお昼、子どもたちと一緒にとか。夜の街じゃなくて、子どもと一緒に遊べるところになったかなということは確かに思いました」
すすきのの人の流れに変化をもたらした「ココノ ススキノ」。
開業から半年で来館者は想定の1.3倍、およそ550万人に達しています。
夜も昼も楽しめる街へ 変わる“”すすきの”
(ココノ ススキノ 志村敦史総支配人)「昼に人が増えてきているということは我々、一定の成果と思いながらもですね、当然、昼も夜もという形で掲げておりますので、街全体でさらに夜の強化というところと、街全体が盛り上がることが我々、最終的には求めている姿でございますので、そういったところも街と連携しながらやっていければと思います」
夜だけではなく昼も楽しめる街へ。
北の歓楽街・すすきのが大きく変わろうとしています。