“未来のバス”未明の走行テスト 全長18メートル134人乗りの「連節バス」 札幌市
札幌市は「創成イースト」エリアで導入を検討している新たな公共交通システムのテストを実施しました。
構想が進む「未来のバス」の実現に向け着々と準備が進んでいます。
(金澤記者)「2台のバスが連なったような形をした実験車両が、駅前通の交差点をゆっくり右折します」
まだ交通量が少ない明け方、全長18メートルのなが~いバスが札幌のマチを走ります。
福岡県で実際に運行している「連節バス」です。
札幌市は、連節バスを活用した「新たな公共交通システム」の導入を目指しています。
連節バスは、大通・すすきのエリアと新幹線・東改札口が設置される予定の「創成イースト」をつなぎます。
新幹線の札幌延伸で交通需要が増えることを見越した施策です。
札幌では連節バスの運行実績がありません。
そのため、5日の走行テストでは交差点を安全に曲がれるかなどを確かめました。
「連節バス」の中に入ってみるとー
(金澤記者)「一見普通のバスですが、車両の後部にもう一台分座れるスペースがあります。定員は通常のバスのおよそ2倍・134人だということです」
連節バスの特徴は「一度にたくさんの客を乗せられること」です。
普通のバスと同じ車線を走るため、路面電車のように新たにレールを敷く必要もありません。
(札幌市まちづくり政策局 和田康広公共交通担当部長)「今後の冬の環境でも走行テストをしたうえで社会実験に入っていきたい」
次世代の交通機関として注目される「連節バス」。
テストに使われたバスはディーゼル車ですが、導入が検討されているのは水素燃料で走る車です。
脱炭素社会の実現を目指す札幌市では、大型水素ステーションの建設や水素カートリッジを使った電動シェアサイクルの開発が進んでいます。
(札幌市まちづくり政策局 和田康広公共交通担当部長)「我々の取り組みが水素の利活用の取り組みをけん引するような、そんな象徴的なプロジェクトになることを期待している」
着々と準備が進む「未来のバス」。
札幌市は2030年度をめどに新たな公共交通システムを本格運行したい考えです。