楽器は「農具」や「植物の茎」 地域の魅力を音楽で表現 遠軽町在住の音楽家が奏でる音とは
農具を叩く音や植物の笛の音などを取り入れた、ちょっと変わった音楽に注目です。
遠軽町在住の音楽家が地域の魅力を音楽で表現し発信しています。
会場は満席の状態となりました。
札幌市で開かれたコンサートです。
客は目をつむり音楽に集中し、じっと耳を澄まして聴いていました。
演奏していたのは遠軽町在住の音楽家「ホラネロ」です。
フルートの谷藤万喜子さん、ギターの本田優一郎さんとの夫婦ユニットですが、ホラネロの音楽はちょっと変わっています。
(谷藤万喜子さん)「これはオオイタドリの笛なんですけど」
北海道の野山に育つオオイタドリという植物の茎を使った笛を取り入れたりー
黒曜石をたたき石器を作るときの音など、身の回りにある“音”を見つけてはオリジナルの音楽に込めています。
去年、国宝に指定された遠軽町の黒曜石など、こうした地域の魅力や価値を音楽で表現し発信したいという想いからです。
割れたときにガラス質の表面に現れる波紋のような模様が特徴の黒曜石を、自身の音楽への想いと重ねます。
(谷藤万喜子さん)「(学芸員が)波紋のように黒曜石の盛り上がりが、他のマチ、できれば北海道全体で盛り上がったらいいなとおっしゃっていたのが印象的で。そういった広がりを(自分も)音楽で表現できたらなと」
ときにはのこぎりなどを叩いて音を出すなど、その土地で使われていた農具を使って“開拓”をテーマに音楽を作ることもー
ホラネロはこのように、みんなで作り上げる音楽を「じもとのおんがく」ジオミュージックと名付け、人との出会いで生まれる“感動”や“音”を大切にしています。
(客)「ここにいながら自然とか命とか時の流れとかを感じることができて、本当に素敵でした」
(客)「ありきたりの音楽ではなくて、地元の人というか北海道民と一緒に音をつくってくれる、そういう気持ちが伝わってくるのがいい」
(谷藤万喜子さん)「これからも地域の人たち、地元に目を向けて音探しをする気持ちを持ち続けて取り組んでいきたいと思っています」
地域の魅力を音楽で伝えたい。
ホラネロの“音探し”はこれからも続きます。