上昇率全国1位は富良野「ニセコもいいけどフラノもね」外国人が注目 地価で世相が見えてくる
土地の標準価格「地価」が2024年3月26日に公表され、住宅地として全国で1番の上昇率となったのは北海道富良野市でした。
千歳市のほか、札幌では創成川イースト周辺の地価上昇が目立ちましたが、なぜこれらの地域の地価が上昇したのでしょうか。
富良野市内のスキー場です。
カラフルなウエアが白銀の世界に映えます。
新型コロナの感染拡大が落ち着き、さらに円安も重なったことで観光客が押し寄せました。
実は、富良野市が全国で一番地価が上がった場所なんです。
2024年3月26日に発表された土地取引の目安となる公示地価で、住宅地として全国1位の上昇率となったのが、富良野市北の峰町の27.1%でした。
外国人観光客の増加により、別荘需要などが高まったといいます。
インバウンドといえば、いまや国際的なリゾート地となったニセコエリアが有名です。
なぜ富良野に外国人が来るようになったのでしょうか。
(北海道不動産鑑定士協会 横山幹人理事)「ニセコとか倶知安に比べて相対的に割安感があり、観光需要が回復して上昇率が上がった。ニセコもいいけど富良野もいいねって。良さが外国人観光客とかにばれちゃった」
一方の商業地で道内の地価上昇率1位から3位を独占したのが、千歳市です。
千歳は住宅地でも高い地価の上昇を記録しました。
理由はもちろん、最先端半導体の製造を目指すラピダスです。
2025年4月までに試作ラインを稼働させ、27年に量産を開始する見通しです。
それに伴い新たに家や店も必要となり、土地の値上がりにつながりました。
(林記者)「札幌市内で最も高い地価上昇率となったのがこちらのエリアです」
札幌市東区北8条東1丁目の地価上昇率は23.0%で、全国で10位です。
JR札幌駅北口の東側エリアは、アクセスの良さに加え、予定される新幹線の新駅からほど近く再開発も進んでいます。
(近くに住む人)「札幌駅に近いのもありますし、ホテルとか新しい施設も建ってきているので、駅近にしては結構住みやすいと思います」
創成川を挟んで西側でも再開発が進んでいます。
北8条西1丁目にオープンするのがー
(北八劇場 伊藤久幸支配人)「こちらが劇場になります」
5月に開業する「北八劇場」です。
観客席は最大226席で、演劇や落語・コンサートなどが上演されます。
(北八劇場 伊藤久幸支配人)「敷居が低く誰でもふらっときて楽しいものが見られる空間でありたい」
観光客でにぎわう富良野にラピダスに沸く千歳、そして札幌で進む再開発。
地価を詳しく見ていくと、世の中の動きがみえてきました。