毎年約30億円の財源不足… 北海道で一番広い北見市の財政難 公共施設など閉鎖で市民に影響も
財源不足が深刻化している北海道北見市で、1週間遅れて市議会が始まりました。
市は毎年30億円以上の財源不足に陥ると試算していて、財源確保のため公共施設の閉鎖が決まるなど、市民生活への影響も出始めています。
北見市常呂町で長年愛されてきた市営浴場です。
広々とした湯舟で日頃の疲れをとります。
ところが…
(利用者)「急にびっくりしました。ここがなくなったら本当に大変なんです」
(利用者)「市民の憩いの場所、とっちゃうんだもんな」
3月いっぱいで営業終了が決まりました。
(管理人 大場信行さん)「残念ですね、利用してもらっている人がいたので」
なぜ、市営浴場を終了するのか、それは北見市の財政悪化が原因です。
(北見市 辻直孝市長)「このままの財政運営を続けていけば、将来、財政の収支見通しが大幅に悪化する」
市は2026年度以降、毎年30億円以上の財源不足に陥ると試算しています。
なぜ、このような状況になったのでしょうか。
北海道で最大の面積を持つ、オホーツクの北見市。
常呂町など3町と2006年に合併して、道路などのインフラや管理する公共施設数が増えました。
一方で、少子高齢化で市の税収が減少するなか、社会保障関連の経費や近年の物価高騰などの影響で、年々財源不足が深刻化したといいます。
(北見市緑のセンター 長部こずえ事務局長)「ちょうどバナナがなっていて、お客様の一番人気です」
北見市の中心部にある温室では、南国の植物が生い茂っています。
市民の憩いの場として32年間営業してきましたが、こちらの施設も再来年に廃止となることが決まりました。
(北見市緑のセンター 長部こずえ事務局長)「ここの植物は施設が閉じたら生きていけないので、それが一番つらい」
他にも保育園やプールなど、様々な公共施設の見直しが決まっていて、市民生活への影響は避けられません。
(北見市民)「体育館が全部閉まるみたいな話を聞いたので、室内のスポーツをする子たちが練習場所に困るのは、経済だけじゃなくスポーツ衰退につながるかな」
(北見市民)「こういう状況になったらどうしようもないので」
財源悪化をうけた北見市は、市営浴場をはじめとした公共施設の見直しを来年度から実施。
2027年度までに一般財源を確保する計画を立てたのです。
(北見市 辻直孝市長)「歳出削減の徹底だけでなく、歳入の増やす方策も検討しながら、財政基盤を確立する必要があります」
混乱する北見市のマチづくり。
魅力あるマチを守るため、市民の理解が得られる見直しが求められます。