北海道のいまどきは“カスタマイズ” 八雲町には明治から令和までずらり350体…ひな人形事情
女の子の健やかな成長を願って飾られる「ひな人形」。
時代に合わせてその形が変わりつつあります。
2024年のキーワードは「コンパクト」で「カスタマイズ」。
最新のひな人形事情を取材しました。
3月3日は「桃の節句・ひな祭り」。
札幌市内の人形専門店を訪ねてみると…
淡いピンクの衣装を羽織ったひな人形にー
こちらは黄緑色が広がり、春を感じさせる色合いです。
顔はまつ毛が長かったり目元はパッチリ!
伝統的な和装が当たり前でしたが、最近は「現代風」に多様化しています。
(鷲見記者)「定番サイズの大きいひな人形が並んでいるが、最近人気なのはこちら、小さいサイズのひな人形です」
ひな人形を置くスペースを確保することが難しくなっている住宅事情に合わせて、幅50センチほどの「ひな人形」が揃っています。
よりシンプルに、よりコンパクトに飾れるひな人形が主流になってきています。
さらに、最近のキーワードは「カスタマイズ」です。
(カネイ小川 営業部 小川良悟部長)「こちらはですね、このお人形を選んで頂いたとして、好きな台であったり屏風に合わせてお子様だけのオリジナルセットを組んでいただける物になっています」
ひな人形や屏風、小物を入れ替えて自分だけの「ひな飾り」にすることが人気です。
春らしい屏風に飾ってみるとやわらかい印象に、金の屏風の前に人形を置いてみると落ち着いた雰囲気になります。
(カネイ小川 営業部 小川良悟部長)「皆様のニーズも増えてきていて、すごく多様化しています。和室に飾るというよりインテリアとして家の中に合う物を選ばれる方も増えているのかなと思います」
「ひな人形」の歴史がわかるのは、道南・八雲町にある施設です。
明治時代から現代までのおよそ350体の「ひな人形」を、毎年この時期に展示しています。
(八雲町郷土資料館 大谷茂之さん)「(明治時代の人形は珍しい?)数は八雲の中では少ないですし、特に寄贈いただいた物は尾張徳川家の移住でやってきた人から頂いた物で、様式的にも“名古屋的”なものですし、男びな・女びなの位置が現在とは反対になっているというのが特徴です」
宮殿のような「御殿」と呼ばれる建物の中に「男びな」と「女びな」が並んでいますが、明治時代の「ひな人形」は飾る位置が現代と違い、左右が逆なのです。
さらに、昭和の時代になり戦後に飾られた物になると、顔の形は「丸顔」に変わるなど、変化を楽しむことが出来ます。
子どもの健やかな成長を願って飾られる「ひな人形」。
お祝いの気持ちを考え、納得のいく「ひな人形」を選びたいものです。