声を出して伝え二人三脚のようにマラソン 本の朗読も 視覚障害者を支えるボランティア 北海道
視覚障害者を支援する取り組みが広がっています。
走ることや本を読むことなど、視覚障害者が困難なことをサポートするボランティア活動を取材しました。
黄色いビブスを身に付け汗を流すのは、実は目が不自由なランナーです。
休日、札幌の真駒内公園では毎週土曜日、視覚障害者と伴走者が一緒に走る「ブラインドマラソン」の練習会が開かれています。
ブラインドマラソンでは伴走者がロープを握って視覚障害者を誘導します。
段差など周囲の状況は声を出して伝え、危険を避けるといいます。
二人三脚のように足を出すタイミングや手の振りを合わせます。
(ランナー)「普段の生活で手を振る動作がないので、それができるだけで体が軽くなる。世界が変わる。(走ることは)やめられない」
(伴走者)「一緒に走ることによって、(走る喜びは)2ではなくて3にも4にもなると思っています」
視覚障害者をサポートする団体「伴走フレンドリー」は2005年に設立され、視覚障害者と伴走者あわせておよそ90人が所属。
ウォーキングを楽しむ人や大会に出場する人もいます。
(伴走フレンドリー 佐藤成恵会長)「外に一歩出られない人ってまだまだいると思うので、こういう会に入って、まず歩くことから一緒に始めてみませんか、歩きましょうと言いたいですね」
(茅生晃事務局長)「もし走る経験のある方いらっしゃれば、どんどん来ていただければうれしいと思います」
一方、こちらは小説などを録音し、音声をCDなどにして視覚障害者に届ける「音訳」と呼ばれる活動です。
専業主婦などおよそ30人がボランティアで録音や編集などを行っています。
対面での朗読サービスもあります。
書籍やパンフレットなどを読んでほしいという利用者も多いといいます。
(札幌市音訳赤十字奉仕団 荒井昌子さん)「必要とされるボランティアは続けていきたいと思っております」
走る喜びを感じたり本を読んだり、日常を少しでも豊かに過ごせるように…
寄り添うボランティアの活動が視覚障害者を支えています。