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「大きな節目」“核のごみ”文献調査事実上審議終了…進むのか「概要調査」に…町は村は知事は

2024年8月1日 18:55
「大きな節目」“核のごみ”文献調査事実上審議終了…進むのか「概要調査」に…町は村は知事は

北海道・後志の寿都町と神恵内村で続く、高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」の最終処分場建設に向けた文献調査報告書案の審議が事実上終了しました。

報告書は秋以降に公表される見通しです。

(委員長)「本日の議題は、文献調査報告書案への地層処分技術ワーキンググループからの評価と対応するNUMOの修正方針、対話活動の振り返りについての2点でございます」

2020年から寿都町と神恵内村で「核のごみ」の最終処分場建設を巡る文献調査が進んできましたが、2024年8月1日に経済産業省で開かれた委員会で審議が事実上終了しました。

今後、原子力発電環境整備機構・NUMOが報告書を取りまとめます。

報告書案では寿都町の「全域」、神恵内村は南側の「一部」が文献調査の次の概要調査の候補地と示しています。

委員会の委員として報告書案の審議に関わってきた専門家はー

(東京電機大学 寿楽浩太教授)「日本の核のごみの処分政策事業、私たちの社会全体としてもこの問題にどういう風に対処していくかということを考える上では大きな節目である。この問題について、日本社会全体としてどのように対応していくべきなのかということを問い直す機会になることが望まれる」

最終処分場の建設には3段階の調査が必要ですが、その最初のステップがほぼ固まったことを意味します。

寿都町では概要調査に進む賛否を住民投票で問うことが条例で決まっていて、それに向けた勉強会も開かれています。

神恵内村の高橋村長は、次の段階に進むかどうかについて「住民の意見を聞くことは有効な手段の一つ」としています。

鈴木知事は1日に改めて「仮に概要調査に移行しようとする場合には現時点で反対の意見」などとコメントを発表しました。

文献調査の報告書は2024年秋以降にまとまる見通しで、NUMOは地元自治体に報告書を示したあとで説明会を開く方針です。

今後の流れです。

1日の審議の結果をもとに、NUMOが文献調査の最終報告書をまとめ、寿都町や神恵内村、道に送ります。

それをもとに説明会の開催時期や開催場所が決まる予定です。

寿都町や神恵内村では、住民投票などにより次の概要調査に進むかどうか判断する方針です。

現時点で「道」は概要調査に進むことに反対の立場です。

核のごみが全国的に話題になる中、それぞれの自治体がどう判断するのか注目されます。