“相乗り”も登場 運転手不足のタクシー 氷点下5度の寒さで長蛇の列 札幌・すすきの
新型コロナが5類となって以降初めての忘年会シーズンを迎える札幌のすすきのでは、にぎやかな風景が戻ってきています。
一方で、タクシー乗り場は長蛇の列となり、終電のあとの移動手段が課題となっています。
(会社員)「お疲れさまです!かんぱ~い!!」
定番の掛け声とともにビールを流し込むサラリーマン。
(会社員)「うまい!明日休みでよかったです」
(会社員)「だめ、明日仕事!」
(会社員)「アハハハハ」
(会社員)「5類になって気軽にオープンになって動けるみたいな感じですよね」
炭火で焼くやきとりが自慢のこちらの居酒屋は、忘年会シーズンに入り毎週末満席の状態だといいます。
(すすきの鳥屋本店 瀬戸和恵さん)「去年に比べて客足は増えた。もうとにかく楽しんでうちに来てお酒を飲んで疲れを癒してもらいたい」
(岡本記者)「12月22日金曜日のすすきのです。新しい商業施設も立ち、活気が戻ってきました。人通りもかなり多いです」
(専門学生)「メリークリスマス!」
新型コロナの5類移行後、初めて迎えた年末のすすきのは、週末の夜を楽しむ人たちでごった返していました。
(男性)「まだ1軒目です。これから2軒目に行こうと思う」
(男性)「タクシーでしょ、地下鉄では帰らないよね?」
このように時間を気にせず楽しみたいのが忘年会。
しかしタクシー会社ではー
(タクシー会社の人)「混み合っています。大変申し訳ありません」
(タクシー会社の人)「空車が空き次第なので30分から40分はみないと・・・」
こちらのタクシー会社の配車センターでは、忘年会に向かう人たちなどからの電話が夕方から鳴り続けていました。
しかも、業界全体で深刻化している運転手不足の影響で台数を減らして運行しているため、すぐには車をまわせないのが現状です。
(つばめ自動車 朝倉道夫営業次長)「うまいことうちの乗務員、台数で回せればと思うが、なかなか厳しい所がある。5類になってからみなさん出かけるようになったので、タクシーの需要もかなり増えています」
すすきのではタクシー不足を見越してか、午後11時5分に出発する最終バスが大混雑。
乗客たちがぎゅうぎゅう詰めになりながら出発していきました。
(岡本記者)「時刻は深夜0時近くになってきました。すすきの駅の終電の時間を迎え、入口には大勢の人が集まってきました」
小走りで駅の改札へと急ぐ人の姿もみられました。
終電のあとの午前0時半ごろにタクシー乗り場に行ってみると、長蛇の列ができていました。
その長さおよそ50メートル。
こちらの男性はついついお酒がすすんでしまったといいます。
(男性)「午後11時までに帰らないとタクシーが拾えないと言われていたけど・・・飲んでしまった」
乗り場近くの温度計は氷点下5度を指していて、みなさん寒さに耐えながらタクシーを待っていました。
ついつい飲んでしまったという先ほどの男性は、30分並んでようやくタクシーに乗ることができました。
楽しい忘年会の帰りに待ち受ける寒空のタクシー待ち・・・
この課題を解消しようという動きも出ています。
(林記者)「こちらのタクシーは相乗りの新しいサービスを始めるということです」
札幌市のタクシー会社では、25日深夜から完全予約制のあいのりタクシーサービス「アイタク」を始めます。
サービスを利用するにはアプリに登録が必要で完全予約制です。
すすきのの指定された乗り場で「アイタク」のステッカーを目印に乗車します。
行き先は地下鉄沿線にあるコンビニエンスストアのみで、料金は自宅まで乗る場合と比べ2割ほど安いといいます。
(互信ホールディングス 企画部 田中正貴課長)「確実に帰れるタクシーを確保できる。客待ちの列に並んで“楽しかったね、すすきの”が“寒かったね、すすきの”になるのは避けたい。楽しかった気持ちでお戻りいただければ」
コロナ禍前と同じ賑わいを取り戻した忘年会シーズン。
帰宅の移動手段は事前にしっかり計画を立てたほうがよさそうです。