盛夏…命にかかわる“車中閉じ込め”を防げ!対策いろいろ…でも「あくまで最後は人」
夏が本格化する中、注意しなけれなならないのが危険な暑さとなる車内です。
2022年には静岡県で、幼稚園の送迎バスに女の子が置き去りにされ死亡する事件がありました。
置き去りを防ぐための対策はいまどうなっているのでしょうか。
(林記者)「正午過ぎの旭川です。日差しが照りつけとても暑いです」
最高気温が28.9℃となった2024年7月11日の旭川。
厳しい暑さが続くと、危険な暑さとなる車内に細心の注意を払わなければなりません。
旭川市内の幼稚園です。
園児たちの送迎バスが到着しました。
バスの窓ガラスをよく見ると「置き去り防止装置・取り付け」の文字がー
(旭川ふたば幼稚園 山中健司園長)「システムを導入したらどうかということで、2年前から始まりました」
2022年に静岡県の認定こども園で、3歳の女児がおよそ5時間にわたって送迎バスに置き去りにされ、重度の熱中症で死亡する事件がありました。
7月4日、元園長には禁錮1年4か月の実刑判決が言い渡されました。
この事件を受け、幼稚園バスなどには安全装置の設置が義務付けられ、道内もすべての送迎バスに設置されました。
旭川市内の幼稚園ではどのような安全装置を取り付けているのでしょうか。
元気いっぱいの園児を降ろしたあとはー
警報音が鳴り始めました。
車内の後方まで、置き去りの園児がいないか確認を終えると…
ボタンを押しました。
先ほどの警報音は、確認作業を忘れないための対策です。
そして、真夏は数分で車内の温度が上がってしまうため、到着後すぐに確認をしなければなりません。
夏の車内はどれだけ危険なのかー
これは、気温35℃の日にエンジンを切って停車すると、車内の温度がどのくらい上昇するか実験したものです。
エアコンを効かせ、車内温度は25℃でしたが、エンジンを切り、ものの5分で35℃に。
さらに気温が上がり続ける車内で、子どもを置き去りにすることは命にかかわります。
この幼稚園では園児が助けを知らせる対策もー
(記者)「もしバスの中に閉じ込められちゃったら、どうしたらいいか知ってる?」
(園児)「知ってるよ」
(記者)「どうしたらいいの?」
(園児)「助けてボタンを押す」
(園児)「お助けボタン」
ボタンを押すことで、周囲に響き渡るような大きな音が鳴る仕組みになっています。
(旭川ふたば幼稚園 山中健司園長)「あくまでも最後は人だと思っているので、コミュニケーションやチェック体制をしっかりとして、それを補うものとしてシステムを利用しているので、人が大事かなと思っています」
ことしの夏は各地で2023年と同じような厳しい暑さが予想されています。
痛ましい車内への置き去り事件を起こさないためにも、対策の徹底が求められます。