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歴史の転換点か「市街地で銃…クマの駆除、条件付き可能」閣議決定にハンターは?歓迎と疑問と

2025年2月21日 18:47
歴史の転換点か「市街地で銃…クマの駆除、条件付き可能」閣議決定にハンターは?歓迎と疑問と

クマ対策の転換点になるのでしょうか。

相次ぐクマ被害を受け、政府は市街地での銃を使った駆除を条件付きで可能にする法律の改正案を閣議決定しました。

2025年2月、道北・留萌の小平町で撮影された街中を走り回るクマ。

北海道内ではこの冬も「アーバンベア」の目撃が相次いでいます。

過去には住宅街で人が襲われる事故も起きていますが、市街地での銃を使った駆除は原則禁止されています。

2025年2月21日に大きな動きがー

(浅尾慶一郎環境相)「市町村長がクマ等の銃猟をハンターに委託し、緊急銃猟ができることとしています」

政府は、市街地での銃を使ったクマの駆除を条件付きで可能にする法律の改正案を閣議決定しました。

改正案では人の生活圏で被害を出す恐れが大きい「危険鳥獣」にクマを指定。

住民の安全が確保できるなどの条件を満たしていれば、市長村長はハンターに対し市街地での「緊急銃猟」を委託できます。

発砲の際、建物などに被害が出た場合は市町村長が補償します。

(浅尾慶一郎環境相)「市町村の事務として実施することを明確化していますので、ハンター個人の責任は生じない仕組みです」

砂川市のハンター・池上治男さんです。

(北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長)「かなりの前進だと思いますよ。大きな前進だと捉えていいと思う」

池上さんは市からの依頼でクマを駆除した際、周囲に人家があったことなどを理由に銃の所持許可を取り消されました。

この問題をめぐり、2024年11月、北海道猟友会の堀江篤会長は環境省まで出向き、こう訴えていました。

(北海道猟友会 堀江篤会長)「引き金を引くものが責任を負わされる。我々の身分、会員の身分を保証してほしい」

今回の法案では市町村長が発砲の責任を負うとしていますがー

(北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長)「極端な例ですけれど、大通公園に出たらどうするのかと。実効性のある法律的にきちっとしたものが出来上がるか注目している」

道東・標茶町のハンターは、市町村が適切に判断できるか疑問を感じています。

(北海道猟友会標茶支部 後藤勲支部長)「市町村はこれから大変になると思いますよ。市町村に任せられてもとても安心して撃てない」

政府はクマの大量出没が予想される2025年秋までに「緊急銃猟」の体制を整えることを目指していて、実効性があるクマ対策となるかが注目されます。

最終更新日:2025年2月21日 18:47