【特集】暑い季節に注意 激痛…「尿路結石症」とは 原因は?予防策は? 《新潟》
9月をすぎてもまだまだ続く暑さ。
熱中症対策に水分補給はしっかりしていますか?
実は熱中症以外にも水分不足が原因で起こるかもしれない病気があるのです。
それが“尿路結石症”です。
尿路結石症……男性の方が実はかかりやすいと言われている病気です。
どんな病気なのか専門の医師に伺ってきました。
協力していただいたのは新潟臨港病院の糸井俊之先生です。
◆尿路結石症とは
〈新潟臨港病院 糸井 俊之先生〉
「腎盂・腎杯、尿管で膀胱、尿道。これを『尿路』って言います。尿路にできる結石が尿路結石ということになります。腎臓と尿管にできる結石を『上部尿路結石』で膀胱と尿道にできる結石を『下部尿路結石』と言います。症状で多いのは疼痛と血尿になります」
糸井先生によると腎臓にできた結石は尿と一緒に尿管へ落ち、尿管内で詰まることで尿の流れを妨げ、その結果、腎臓が腫れてしまうことで腰や背中にかけて激痛が走るそうです。
〈新潟臨港病院 糸井 俊之先生〉
「人生で味わう三大疼痛(とうつう)と言われていまして、経験した方に聞くと非常に痛いとおっしゃいます」
症状は痛みだけでなく排尿困難や頻尿、膀胱痛の症状が出ることも……。
どうして尿路結石ができてしまうのでしょうか。
糸井先生 によると尿路結石ができる要因には、主にシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウムがあるといいます。このうちより大きな要因となるのがシュウ酸カルシウム。
結石ができる理由の約8割を占めるといいます。
シュウ酸は本来腸で処理されます。しかし処理できないほど多くの量を摂取した場合、腎臓が吸収…。
尿とともに排出される過程でカルシウムとくっつき、結石をつくってしまうというのです。
気を付けたいシュウ酸。ではどんな食品に含まれているのでしょうか。
上の表をみるとホウレンソウやココアに多く含まれているほか、 コーヒーやお茶にも含まれていて、一日何杯も飲む場合は摂取量も多くなり注意したほうがよさそうです。
さらにこの暑い時期は特に結石ができやすいと言います。
〈新潟臨港病院 糸井 俊之先生〉
「やっぱり夏がなりやすいと言われていて通常の1.5倍ほど患者さんが受診される。夏になると汗を大量にかくようになりますので、尿がどうしても濃くなってしまって結石の 成分が尿の中で飽和状態になって夏は尿路結石ができやすくなると言われています」
こちらは去年、尿路結石による手術の件数です。
8月がピークの12件となっており、その後9月から12月にかけて多くなっています。
また男性と女性の患者数を比較すると男性の方が5倍から6倍ほど多くなりやすい傾向にあると言います。
では万が一、尿路結石ができてしまった場合どのような処置をするのでしょうか?
〈新潟臨港病院 糸井 俊之先生〉
「小さな石であれば基本的には自然排斥を期待して保存的治療、薬物療法あと飲水摂取で様子を見ることになります。1cm以上の大きな石はなかなか出てきませんので、その場合は外科的手術・処置という形になることが多いです」
しかし、治ったとしても油断はできないといいます。
〈新潟臨港病院 糸井 俊之先生〉
「再発率は結構高いです。5年経つと大体約半数の人が再発すると言われています」
では、尿路結石にならないために大切なことは……
〈新潟臨港病院 糸井 俊之先生〉
「1番は水分を取ることだと思います。新潟市の予防としては1日2リットルの飲水が一応推奨されていますので、特に汗をかいた場合それを補う分しっかり水分を取ることが大切だと思います」
暑い時期になりやすい尿路結石症…… 普段食べているものでもなり得る病気だということです。
まだまだ暑い日が続きますが、尿路結石にはくれぐれもご注意を……。