【帯のアップサイクル】不要な着物の帯に新たな価値を 帯を小物やバッグなどに加工するハンドメイドブランド立ち上げた女性 きっかけはコロナ禍《新潟》
思い出の残った帯や着物は着られることなく、しまわれたまま処分もできないという人が多いと言います。
そんな中、帯に新たな価値を見い出す新潟のハンドメイドブランドの裏側に密着しました。
花模様が美しいおしゃれなバッグ……。
上品なモチーフがアクセントになった便利なポーチ。
これらは全て使われなくなった帯を使って手作りされたものです。
須藤和代さん、50歳。 新潟のハンドメイドブランド「HANORIVE(ハノリブ)」代表として着物の帯のアップサイクルを行っています。
アップサイクルとは本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生すること。
HANORIVE(ハノリブ)はお客さんから使わなくなった着物の帯を引き取り、帯1本分につき約2か月の制作期間で様々な小物に加工。
日本文化である和柄を生活の中で気軽に楽しめるよう帯をアップサイクルしています。
〈HANORIVE 須藤和代さん〉
「帯ってオンリーワンというか大きい柄が背中に1つと前に2つあるんだけれども、その柄をどういう風に生かしてどういう風にしたらきれいになるかっていうのをパズルみたいに組み立てながらできるのがすごく楽しい。それをお客様に渡した時に『こんな風になるんだ』っていう感動みたいなのを見ると作ってて良かったな、うれしいなって思う」
和代さんが帯でアップサイクルを始めたきっかけはコロナ禍でした。
当時勤めていた会社の休業が続く中、合間の時間を使い動画サイトを見ながら、見様見真似でマスクを製作、マスク不足で困っていた親しい知人たちに配りました。
すると……
〈HANORIVE 須藤和代さん〉
「『家で眠ってる帯があるんだけどマスク作れるんだったらちょっとカバンとか作ってみてくれないかな』っていう話からどんどん発展していってしまって……」
周りの人に腕を認められた和代さんは15年勤めた食品会社を退職。
47歳でHANORIVE(ハノリブ)を立ち上げました。
◆形見の帯をバッグなど
1本の帯のアップサイクルを依頼した大川原涼子さん。
HANORIVE(ハノリブ)でオーダーした作品を見せてもらいました。
〈帯をアップサイクルした 大川原涼子さん〉
「娘たちも使えたらいいなと思って……」
生地に使われた美しいオレンジ色の帯。
大川原さんが2020年に亡くなった母から生前預かったものです。
家族に帯を使う人はおらずタンスにしまったままであればと母の形見を和代さんに託しました。
大川原さんの帯から生まれた小物はバッグ、ポシェット、スマートフォン用ポーチ、名刺入れ、キーホルダーの5つ。
生地はほとんど余すことなく使われています。
〈帯をアップサイクルした 大川原涼子さん〉
「常に日々使えるので一緒にお出かけもできるっていう……(加工してもらって)良かったなってうれしいですね」
新潟の製品の販路開拓を進める企業から東京でも作品を販売しないかと誘われ、5日間の東京初出店も実現した和代さん。家族の協力を得て、夢は広がります。
〈HANORIVE 須藤和代さん〉
「本当に日本の固有の文化なので形を変えても伝えていきたいっていう気持ちもあるし、あと本当に日本にしかないきれいな模様とかも沢山あるので、いつかは海外に持っていって世界の人に見て もらえたらいいなと思っています」
(2024年8月29日放送「夕方ワイド新潟一番」より抜粋)
◆須藤さんのアトリエの様子など詳しくはリンクの動画でご覧いただけます。