【特集】中間発表!新潟vs山形 ラーメン支出額どちらが多い? 新潟市ラーメン最新情報も 《新潟》
新潟市VS山形市ラーメン消費額中間発表!毎年2月に前年の年間消費額が発表されます総務省の家計調査。1世帯あたりのラーメンの消費額で毎年大いに盛り上がりを見せています。この話題が上がるのは2月なのですが、上半期も終わったということで、一旦ここまでの結果を確認していきたいと思います。
改めて新潟市と山形市のラーメンバトル、2013年から2020年までの8年連続首位だった山形市を、2021年に新潟市が300円差で破って1位となりました。
ただその翌年2022年には山形市が1位を奪還し、「ラーメンの聖地
山形市」を宣言しています。そして2023年も山形市が1位となり、2連覇という結果になっております。
今年はどうなのか、8月1日現在で今年1月から5月までの消費額が公開されていますので、その結果を元にランキングを作成しました。果たして新潟市は何位なのか。
なんと、1位は山形市。新潟市は2位ですが、金額差は1000円以上開いています。
1300円ほど離れてしまっているという結果になってしまっています。
2023年ラーメンの消費額で2連覇を達成した山形市。
今年1月から5月までの消費額の推移を見ると山形市は上半期に昨年以上の伸びを記録。
5ヶ月累計の差は、昨年より大きい1345円。
そのわけを探るべく訪れたのは山形市役所。
ラーメンのPRを担当するブランド戦略課・課長の高橋さんにお話しを伺いました。
山形市 ブランド戦略課 高橋大課長
「2月に毎年1年間の累計の数字が発表されるものですから、それに合わせて盛り上げていこうということで、12月からいろんな取り組みをさせていただいた。結構マスコミにも露出する機会が多かったので、1月から 2月にかけて結構市民の方がラーメン店に足を運ぶ機会が増えたのかなと思っています」
帰省やスノーアクティビティの観光客も増える冬。年間消費額の発表に向けてラーメンのPRに力を入れてきたという山形市。
そのブランド力を高めるため山形ラーメンの愛称『山ラー』を商標登録。
さらに新潟市から1位を奪還した次の日にあたる2月8日を『山形市ラーメンの日』に制定。
それを記念して山形市初主催となるラーメンイベント『「山ラー」フェア』を開催。
「山ラー」グッズがもらえるデジタルスタンプラリーや人気店のキッチンカーが出展するマルシェなど、ブランドを全面に押し出したイベントを実施しました。
これまで市内のみの取り組みでしたが、今後は首都圏でのイベントも計画しているそうです。
山形市 ブランド戦略課 高橋大課長
「山形市にとって1位でいることが当たり前だと思っていますので、1位を続けることというよりは、ラーメン=山形だって知ってもらうきっかけになるんじゃないかと思っています。ギョウザといえば宇都宮というブランドが出来上がっていますので、ああいうところまで高めていければと」
徹底したプロモーションで盛り上げを図る山形市。そんな山形ラーメンの強みとは?山形のグルメに詳しい地元のタウン情報誌の溝脇さんは多様性が山形のラーメンの魅力だと話します。
月刊山形ZERO☆23 編集部 溝脇怜さん
「山形市内だけでも本当に多種多様なラーメンが食べられるんですね。辛味噌ラーメンとか煮干しにこだわったラーメンもありますし、ラーメン意識は店主の方々皆さん高いので、住んでいる人間からすると皆さんかなりこだわってかなり高いレベルでラーメンを提供されているのかなっていうのは感じますね」
昨年のラーメン消費額の推移を示したグラフを見ると夏の時期に右肩上がりで消費額が伸びています。ここに新潟が警戒すべき山形のキラーコンテンツの存在が…。
月刊山形ZERO☆23 編集部 溝脇怜さん
「それはやっぱり『冷やしラーメン』のおかげかなと。暑くなるとラーメン屋さんに行かないんじゃなくて、温かいメニューから衣替えみたいに冷やしラーメンに切り替えるみたいな感じですかね」
山形市が発祥だという冷たいラーメン。その元祖と言われるのが昭和7年創業の栄屋本店。
ラーメン特有の湯気はなく醤油のスープに氷が浮かぶ冷やしラーメン。
その命とも言える水は地元・蔵王から流れる水を使用。油が浮かないよう脂身の少ない牛肉のチャーシューを使用しているのもポイントです。
約70年にわたって提供している冷やしラーメンは根強いファンも多く、夏になると1日500杯以上提供する日もあるのだとか。
冬のイベント、夏のキラーコンテンツで突き放す山形市。新潟に勝ち目はないのか。
「まだまだ半分ありますから十分巻き返せる数字」
そう話すのは長年新潟のラーメンを取材してきた片山貴宏さん。人呼んで『新潟ラーメン伝道師』。
山形市の2連覇に悔しさを滲ませる一方で近年の新潟ラーメン界の動きに期待を寄せています。
ニューズ・ライン 片山貴宏さん
「新潟駅がリニューアルしてラーメンの集合施設ができたっていうことで新潟に来る人とラーメンのタッチポイントが増えましたし距離が近くなっていくんだろうなっていう気はしています。ラーメン文化の土壌はできていると思いますし。これは断言できるんですけど、山形市の皆さんより新潟市の皆さんの方が絶対ラーメンが好きなので、その愛が外に向けば消費金額は全然挽回できるんじゃないかなって思っています」
そして7月19日に行われた新潟市の中原市長の定例記者会見。そこで語ったのは。
新潟市 中原八一市長
「やっぱり1回1位になりますと、また1位になりたいと思うものですね」
市がラーメンに特化して予算化する初めての事業『ラーメン愛いっぱい(一杯)プロジェクト』。
この事業では新潟市内8区のラーメン店70店舗を掲載したガイドブックを配布。
スマートフォンでQRコードを読み取るとラーメン店の情報を見ることができるほか、位置情報を元に現在地に近いラーメン店が表示されるデジタルマップも合わせて展開。
もう1つの取り組みがカプセルトイ。実際に回してみると…。
リポート
「こちらのカプセルを開けてみます。中から出てきたのは『いっとうや』のカプセルトイです。全部で10種類あるので、集めるのも楽しそうです」
カプセルに入っていたのはキーホルダー。
市内10店のラーメンをモチーフにしていて、裏側には期間中何度でも使える特典がついているのも嬉しいポイントです。
新潟市 中原八一 市長
「これによって新潟のラーメン業界を大いに盛り上げていきたいと考えております。市だけではなくてラーメン業界の皆さんと力を合わせて新潟を盛り上げていきたいと思っています」
日本で1番ラーメンを愛する街を打ち出した新潟市。
そんな新潟市が誇るラーメンの今年のトレンドについて片山さんに伺うと。
ニューズ・ライン 片山貴宏さん
「2024年はこれまでよりも新しくオープンするお店が非常に多いのが特徴なんですね。その中でも特に際立っているのが何か一点突破といいますか1つの特徴を持ったラーメンを提供するお店っていうのがすごく増えているなっていう印象ですね」
キーワードは『一点突破』。
そんな1杯を求めてまず向かったのは新潟市西区、6月にオープンしたばかりの『らぁ麺 貝晴』。
店名には貝の文字ということは?
ここで味わえるラーメンはあさりやシジミといった貝で取った出汁が特徴。一口すすれば優しい貝の旨みが口いっぱいに広がります。
「らぁ麺 貝晴」 店主 貝瀬紀男さん
「最初から貝がバツンというよりも後からじわりと下地を支えているのが貝っていうのがうちのラーメの味かなっていう感じではあり ます」
続いて訪れたのは中央区古町の趣ある路地の一角にお店を構えるのは『麵屋粋翔 古町別邸』。秋葉区にある人気店『秋葉 麵屋粋翔』の2号店です。
香ばしいミソの香りが漂い食欲をそそられる人気の一杯、『濃厚味噌拉麺 野菜』。
麺は秋葉区で作られた香り高い小麦を使用。ミソや季節の野菜など食材からお水のグラスに至るまで秋葉区産にこだわっているのが特徴です。そこには店主、小泉さんのこんな想いがありました。
「麵屋粋翔 古町別邸」 店主 小泉翔太さん
「粋翔自体がコロナ禍でのスタートだったんですよ。その時に皆さんに助けてもらったのが俺は嬉しくて、繫盛店を作るっていうことと地元の物を使うってことが皆さんへの恩返しだと思っています」
そんな古町別邸を出てすぐ正面にあるお店の中に入っていくと…。
そこにはなんと小泉さんの姿が…。
Q)こちらもラーメン店?
「麵屋粋翔 古町別邸」 店主 小泉翔太さん
「いやこちらはちょっと違って、居酒屋でやらしてもらっています」
こちらは『酔いどころ粋翔 やちよ』。小泉さんはラーメン店主でありながらここのホールスタッフも兼務。その意図とは?
「麵屋粋翔 古町別邸」 店主 小泉翔太さん
「ラーメンと人をつなぐ場所。季節の一品を提供しながら、みんなが話せる酒場というコンセプトですね。ラーメンの話って面白いじゃないですか。それぞれの好みがあったりとか情報交換であったりとか、そこでまた新しい発見があって俺も嬉しかったりとか、そういう場所が今まであったようでなかったので、そこの場所に対しての挑戦」
ラーメンと人をつなぐ場所。
小泉さんはここから新潟のラーメンの可能性を広げようとしています。
「麵屋粋翔 古町別邸」 店主 小泉翔太さん
「現状、新潟ラーメンの味は多様化していますけど、今度は味じゃなくていろんな『人』、いろんな業種の人たちといろんなことをやったら新潟ラーメンがもっと面白くなるじゃないですか。いろんな 人たちとコラボをして新潟ラーメンをいろんな人に知ってもらう、そうするともっと面白いんじゃないかなと」
新潟市は下半期に追い上げて山形市から1位を奪還できるのでしょうか。
2024年8月1日「夕方ワイド新潟一番」放送より