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【特集】変わるJR新潟駅 60年ぶりのリニューアル 来春には新たに140店舗がオープン

2023年12月23日 11:00
【特集】変わるJR新潟駅 60年ぶりのリニューアル 来春には新たに140店舗がオープン
60年ぶりのリニューアルが進むJR新潟駅
その中に入る駅ビルには来春、新たに140店舗がオープンし、約170店舗の商業施設が誕生します。

駅はどう変わる? 駅ビルといえば、グルメにショッピング・・・。
観光客から地元の人まで楽しめる充実した空間が、新潟の玄関口に来年春、出現します。

◆60年ぶりのJR新潟駅リニューアル

県内や全国各地へとつなぐ列車やバス・・・この場所を中心に人々が行き交います。

生活に欠かせないJR新潟駅。
まさに今、60年ぶりのリニューアル工事の真っ最中です!

〈街の声〉
「キレイになるのが楽しみで子どもと通ってます。新潟になかったお店を楽しみにしています」

「放課後とかに遊べる感じがいい」

期待が膨らむ新しい新潟駅。商業エリア・駅ビルはどう生まれ変わるのか・・・。

〈新CoCoLo新潟開業準備室 坂上大樹さん 〉
「今、絶賛工事中という事で、かなり大きく変化しております」

商業エリアの開発を手掛ける新CoCoLo新潟開業準備室の坂上 大樹さん。
新たな駅ビルを徹底解説してもらいます!

〈新CoCoLo新潟開業準備室 坂上大樹さん 〉
「新潟駅の在来線のホームがあったのですが、そちらが高架化で上がったことによって、現在新しいCoCoLo新潟のお店をつくっているんです」

かつては地上に改札やホームがあったJR新潟駅。
在来線全線を高架化したことによって改札口などのすべてが2階に移動しました。

その空いた高架下の空間を中心に開業するのが駅ビル「CoCoLo新潟(ココロニイガタ)」。

すでにことしの2月には県内初出店の「3Coins+plus(スリーコインズプラス)」や「matsukiyo LAB(マツキヨラボ)」がオープン。来年春には新たな140店舗を含む計約170店舗が誕生するのです。

◆新潟県内初出店の「成城石井」や大手菓子メーカーの新業態店も

その新店舗の中には、新潟県内に初出店する首都圏のスーパーマーケットや、新業態店も・・・。

新潟駅2階。新幹線東改札の前には、お土産にぴったりな新潟を代表する大手菓子メーカーの亀田製菓やブルボン、栗山米菓の新業態ショップが入ります。

〈新CoCoLo新潟開業準備室 坂上大樹さん 〉
「こちらは新潟駅の新幹線の東改札になります。そしてその前に広がるのが、食料品であったりお土産品を中心としたエリアとなります」

さらには、新潟のラーメン文化や居酒屋文化を横丁スタイルで楽しめる「ニイガタ バル★麺横丁」。
ランチタイムは明るく開放的に、夜ははしご酒からシメのラーメンまで賑やかに楽しむ空間が出来上がります。

◆新潟県初出店のスーパーマーケット

特に注目されているのが、県内初出店となるスーパーマーケット。

〈記者リポート〉
「成城学園前、閑静な住宅街が並ぶ地域です。注目ショップを取材するため東京にやってきました。注目ショップというのが『成城石井』です」

首都圏を中心に展開する「成城石井」。
店内には新鮮な果物や輸入ワイン、種類豊富なチーズの数々・・・日本中・世界中から選りすぐられた食品が並びます。

1927年、小さな食料品店として創業した「成城石井」。
その後、スーパーマーケットとなったのは1976年。お客さんの声を元においしいモノを厳選していくうちに、特徴ある品揃えになっていったといいます。

そのおいしさの秘密は・・・。

〈 成城石井 五十嵐 隆さん〉
「成城石井にはセントラルキッチンがございます。一流の料理店やホテルで腕を磨いてきた職人さんたちが、日々自分で開発して調理しているんです。そういった総菜・デザートがいよいよ新潟にも毎日のように届けられるのは、お客様にも楽しみにしていただけることかと思います」

◆年間100万本以上売り上げる商品とは

そんな「成城石井」には、こだわりの商品があるといいます。

お惣菜からおつまみ、スイーツまで並ぶ「成城石井」の中で人気商品とは・・・。

スイーツ部門では堂々の1位を誇るのが「プレミアムチーズケーキ」。年間100万本以上を売り上げる大ヒット商品ということです。

そして・・・最も売り上げている第1位は「スモークサーモンスライス」ということです。

〈成城石井 五十嵐 隆さん〉
「私たちが大事に育ててきた惣菜やデザートがしっかりとお届けできるようになるというのは、新潟のお客様にも成城石井の本格的な味わいを召し上がっていただける良い機会になってくると思います」

◆1階エリアには話題のお店も

新潟駅の新たな駅ビル・・・南口広場側に移動してきました。
続いては、1階の西側「WESTSIDE(ウェストサイド)」。

〈新CoCoLo新潟開業準備室 坂上大樹さん 〉
「レストランエリアのエキナンキッチンとなっております。家族連れのお客様であったり、女子会などを開いていただく事もできるかと思います」

このエリアにはあの人気カフェも・・・!

◆人気カフェも初出店

タピオカドリンクでおなじみ台湾発祥のティーカフェ「ゴンチャ」。

2006年に台湾でオープンした「ゴンチャ」は現在、世界中に2000店舗を構えます。

〈ゴンチャ ジャパン 渡邊 千紘さん〉
「毎日店舗でお茶を抽出しております。その上質なお茶をカジュアルに楽しめるお店として、特に若い方を中心に人気のお店になっております」

ゴンチャが人気の理由はバラエティ豊かなメニュー。
カスタマイズして自分好みのドリンクを注文することができます。

コクと深みのある味わいの黒糖シロップを入れたミルクティーに、お茶とフルーツのハーモニーを楽しめるフルーツティー。マンゴーの果肉入りも!
さらには、ひんやり爽やかな味わいのフローズンティーなど個性豊かなドリンクがそろっています。
その中でも定番といえば、ブラックミルクティー。パールと呼ばれるタピオカ入りです。

〈記者リポート〉
「パール、タピオカがモチモチです。とってもすっきりとした甘さです。紅茶の香りとミルクのコクがとっても合っておいしいです」

新潟初出店のゴンチャは20席ほどの店内を予定しているという事です。

来年春・・・待望の駅ビルが誕生するJR新潟駅。
新たなショップは今後まだまだ発表されます。

〈新CoCoLo新潟開業準備室 坂上大樹さん 〉
「皆様に日常的に使っていただけるような駅ビルになるかと思います。2024年の春の開業に向けて皆さんに情報をお出ししていく予定ですので、ご期待いただければと思います」

新潟駅には店舗が少ないことが課題となっていましたので、この新たな駅ビルのオープンでその課題が大いに解消されそうです。

これは『新潟駅ビルのテナントに欲しいお店』について聞いたアンケートです。

『新潟駅ビルのテナントに欲しいお店』、1位は「レストラン・カフェ」。2位は「食料品」。3位は「雑貨・日用品」などがランクインしていました。

同じアンケートで欲しいお店を具体的に挙げてもらうと・・・1位はなんと「成城石井」。
ほかにも、すでにオープンしている「3Cois+plus」。「けんこう市場」「ラーメン横丁」「PLAZA」など、今回先行発表された注目ショップが数多くランクインしていました。

新しい駅を県民と一緒に考えたい・・・と、このアンケート結果などを元に県民の声を取り入れた店舗誘致が進められたということです。

南口広場から駅を見て左側、1階の西側「WESTSIDE」にできるのは「エキナンキッチン」です。
「牛たん炭焼 利久」やビールなどが楽しめる英国風のパブが出店予定です。

ほかにも「ゴンチャ」や雑貨などを扱う「PLAZA」や「サロンアダムエロぺ」が先行発表されています。

そして1階の東側、「EASTSIDE(イーストサイド)」の「CoCoLoMart(ココロマート)」は生鮮食料品売り場となっていて、以前も新潟駅にあった「けんこう市場」や古町にかつてあった「明治屋ストアー」が復活します。

◆新潟伝統の味も・・・出店にはある覚悟が

そして2階のWESTSIDEには、惣菜・飲食ゾーンの「ニシデリストリート」ができます。
新潟らしさを手軽に楽しめるような場所になるといいます。

先行発表されているお店の中には、あの新潟のソウルフードも!
甘辛~いしょう油タレが特徴の新潟伝統の味・・・「タレカツ丼」です。

新潟駅への出店を決めたのは古町に店を構える「とんかつ太郎」。
『タレカツ丼』発祥のお店です。

その歴史は90年前。当初は、フレンチレストランで修業した店主による洋食専門店でした。
その名残で今でも洋風のメニューが数多く並びますが、しょう油ダレのかつ丼をメニューに加えると瞬く間に人気メニューに!
その後は場所を移しながらも、伝統の味をつないできました。

とんかつ太郎3代目の小松 寿雄さん。
新潟駅への出店の裏に、ある覚悟がありました。

〈とんかつ太郎 3代目 小松 寿雄さん〉
「元々私の3代目で廃業しようかって悩んでいたんですよ。駅の話をいただいて、やるやらないをすごく悩んでいたんですけれども」

跡継ぎがいないことを理由に、なんと店を畳もうとしていたというのです。しかし・・・。

〈3代目 小松 寿雄さん〉
「甥っ子に話を持っていって、あと継ぐ、継がない?って事で。やるって言ったので決めました」

想いを引き継ぎ、4代目となる小松さんの甥。
永田 拓也さん、30歳です。

東京にある老舗洋食レストラン「日比谷松本楼」で9年間、修業を積んできました。

今は、3代目のもとで伝統の味を引き継いでいます。

〈4代目 永田 拓也さん〉
「3代目の叔父、祖父が続けてきたものを自分が引き継いでやらせていただくっていうのは凄いありがたくて。ますますいいお店だねって言われるように頑張ろうと思っています」

「とんかつ太郎」の伝統の味・・・。最大の魅力は、時代に合わせて進化を続けることだといいます。

〈3代目 小松 寿雄さん〉
「伝統っていうのは伝承と違って、今の時代に合わせていくっていうことだと思っています。なのでタレもどんどん新しくなって、新しい時代のタレに変わっていくというのが、昔ながらの味を受け継いでいくっていう事なんじゃないでしょうか」

来年春、新潟駅に誕生する新たな「とんかつ太郎」。
7席ほどの店内に、テイクアウト中心の営業を予定しています。

新潟駅の店舗を3代目が、古町の本店を4代目が守り、それぞれの進化を続けていきます。

〈4代目 永田 拓也さん〉
「皆さんに喜んでいただけている今のお店の味をしっかり守って、これからの時代に合わせた味づくりというものを自分の中で模索していきたいと思っています」

〈3代目 小松 寿雄さん〉
活気ある街づくりができたら最高なんじゃないかな。それにほんのちょっとだけ担わせていただけたら幸せかなと思います」

途絶えそうになった伝統の味が、新潟駅の開発をきっかけに存続へと向かいました。

◆にぎわいの拠点「ガタリウム」もオープンへ

駅ビルが変わるという事が、駅周辺の経済にも影響を与えることになりそうです。

まさに新潟市が再開発を進める「にいがた2km」への波及を見据えて新潟駅の変貌が期待されるところです。
街のイメージを大きく左右する駅ですが、JRから発表された情報によりますと、駅の1階には吹き抜けスペース「ガタリウム」が、同じく来年春にオープン予定です。

万代広場とつながる作りとなっていて、イベントや展示会などが開催される「にいがた2km」のにぎわいの拠点として活用されます。

駅のにぎわいは新潟市内のにぎわいにもつながることから、新潟駅が玄関口として盛り上がっていくことが期待されています。