【特集】「産んだ直後はずっと自分が泣いてた」 新たな産前産後ケア施設がオープン 母親を優しく包む“ゆりかご”に 《新潟》

「47人」これは、おととし、産後1年以内に自ら命を絶ってしまった女性の数です。
産後うつに悩む母親は少なくありません。
そうした中、新発田市に、産前産後のケアをする施設がオープンしました。
母親たちの心のよりどころとなっています。
■新たにできた“お母さん”を救う場所
ここは新発田市の産前産後ケア施設「ゆりかご」。
ひとり親家庭などを支援する「フードバンクしばた」が新発田市内の古民家を借りて、ことし5月に立ち上げました。
週に3日、1日6組まで沐浴(もくよく)や昼食などの支援を受けることができ、出産前後の母親と、1歳未満の乳児は無料で何回でも利用できます。
沐浴を手伝うスタッフ 中山恭子さん
「だんだん首太くなってきて、こういうところもムチムチになるから、くびれのところよく洗ってね」
昼食をつくるスタッフ 本間きみ子さん
「なるべく野菜をたっぷりタンパク質も3分の1とれるように」
栄養満点の温かい食事も大好評です。
生後8か月の母親(45)
「家だと立ちながら冷たいご飯をおんぶしながら食べたりとか、そういうことがあるんですけど、ここに来るとおいしいご飯が食べられるのでそれだけで幸せ」
生後8か月の母親(40)
「パパじゃダメだったりするので、ベテランの方とかに見てもらうと安心して休めるんじゃないかなと思う」
施設を支えるスタッフは総勢23人のボランティア。
ほとんどが助産師や看護師、保育士などを経験した子育てのベテランたちです。
保育士や幼稚園教諭を49年務めた鈴木京子さん。スタッフのまとめ役です。
鈴木京子さん
「赤ちゃんは、私たちがしっかりお世話するので心配しないでしっかり休んでくださいっていうそういう試みです」
環境の変化や慣れない育児で精神的に不安定な状態になる「産後うつ」。
国のまとめによると、おととしは47人が産後1年以内に自ら命を絶ってしまったといいます。