「令和の避難所」テントでプライバシー確保、アプリで事前受付、ペット同行…進む作業の効率化
台風など災害が発生したときに住民にとって重要な存在となるのが避難所。
自治体では効率的な運営や少しでも安心して過ごしてもらおうと、様々な取り組みを行っています。
大分県中津市の避難所運営を取材しました。
今回の台風で中津市の避難所の1つとなったのがダイハツ九州アリーナです。
市内で最も多い250人の受け入れが可能でコロナ禍をきっかけにテントを設置。
避難した人のプライバシーを確保できるようになっています。
◆避難者(70代女性)
「プライバシーがあるから良いと思います」
また、受付ではこんな工夫が。
◆TOS藤村晃輝記者
「中津市では今回の避難所の運営に関して新たなアプリを導入して作業の効率化などを図っています」
これまでの受付では名前などの記入は紙を使うのが基本でしたが、中津市は今回、アプリで行いました。
◆中津市情報デジタル推進課 中尾修大さん
「(避難を予定している人は)まず事前に避難の登録をすることができ、それをこちらで言ってもらえれば、避難所の入室もスムーズ」
このアプリは市が独自に開発。住民は事前に市のホームページにある専用フォームに名前や避難を予定している人数などを入力することでアプリ上にその情報が登録されます。
もちろん、事前に入力ができない場合でも受付で登録作業を行い、避難所に空きがあれば入ることができます。
このように受付をデジタル化したことで、避難した人たちに関する情報の把握がしやすくなり、運営の効率化を図れるということです。
◆中津市情報デジタル推進課 中尾修大さん
「今回一番大きな避難所で試行的な運用を始めましたの、でこれを成功させて全ての避難所でデジタルの受け付けができればと考えています」
また、2階にはこんなスペースが…
ここで過ごしていたのはペットを連れた人たちです。
中津市は今回初めてペットと一緒に避難できる区画を設置。17区画を用意し、今回5組が利用してペットと一緒に一夜を過ごしました。
◆ペット連れてきた人
「置いて逃げることがちょっとやっぱりかわいそうだったので一緒に逃げるなら一緒がいいなと思って。助かりました」
ただ、このようにペットを室内に連れていける避難所の整備はまだ道半ばです。
例えば、大分市では全ての避難所にペットを連れていくことは可能ですが、飼い主と屋内で一緒に過ごせるスペースは設けられていないということです。
ペット同行の避難の受け入れは県も防災計画の見直し案の中で強化することを打ち出していますが、今後、さらに整備が進むことが望まれています。