ツーリズムおおいた巨額横領事件 元職員に懲役4年の実刑判決 無罪主張も「犯人だと強く推認できる」
大分県内の観光振興を行っている公益社団法人ツーリズムおおいたで2021年に発覚した使途不明金の問題。
その後、横領などの罪で元職員が起訴され、裁判が2年以上続いていましたが、大分地裁は6日、元職員に対し、懲役4年の実刑判決を言い渡しました。
業務上横領などの罪で有罪判決を受けたのはツーリズムおおいたの元職員・白石幸恵被告50歳です。
判決などによりますと、白石被告は経理担当職員だった2017年6月から退職後の2020年7月にかけて、ツーリズムおおいたの口座から44回にわたりあわせて3300万円近くの現金を引き出して横領したなどとされています。
白石被告は「身に覚えがない」として、初公判から一貫して無罪を主張してきました。
そして、6日の判決公判。
最大の争点・誰が犯人なのかについて、大分地裁の辛島靖崇裁判長は「被告であったことが強く推認できる」と結論付けました。
理由として、現金を引き出すのに必要な物品を持ち出しても不審に思われない立場だったこと。
ほかの職員には会計ソフトを用いて隠ぺい工作を行う能力がなかったこと。
そして、白石被告にはFX取引による損失があった一方、自身の口座に出所不明の多額の入金があったことなどを挙げています。
その上で、「一連の犯行は巧妙で悪質性が高く、被害総額は多額である」などとして、白石被告に懲役4年の実刑判決を言い渡しました。
元職員に対する判決を受けて、ツーリズムおおいたの和田久継会長は「司法の判断を厳粛に受け止めるとともに、引き続き再発防止策の撤退を図り、大分県の観光振興にこれまで以上に取り組むことで、皆様からの信頼を回復できるように努めてまいります」などとコメントしています。