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東日本大震災から14年 各地で黙とう 震災の教訓を生かす集い 災害復興のために重機の操作を学ぶ講習会も

2025年3月11日 18:06
東日本大震災から14年 各地で黙とう 震災の教訓を生かす集い 災害復興のために重機の操作を学ぶ講習会も

1万5000人以上が亡くなった東日本大震災の発生から11日で14年です。

東北の被災地では各地で鎮魂の祈りが捧げられました。

一方、県内では震災の教訓を生かす集いや災害復興のために重機の操作を学ぶ講習会が開かれました。

黙とう

巨大な津波が東北を襲った14年前の東日本大震災では、「1万5900人」が死亡。

現在も「2520人」の行方がわかっていません。

一方、避難生活などで震災に関連して亡くなった人は、「3808人」にのぼっています。

東京電力福島第一原発の事故の影響などで県内外に避難している福島県民は今も「2万4644人」に上っています。

【防災教室】
「訓練です、訓練です…」

震災の教訓を忘れないため、毎年、3月11日に合わせて避難訓練などを行うのは、上田市で障がい者の支援施設などを運営する社会福祉法人です。

8年前から、被災者やボランティアの話を聞く集いを地域の人と一緒に開き、命や支え合いの大切さついて見つめ直す機会にしています。

この中で、防災教室を開いたのは、被災した宮城県出身で長野大学3年の浅野奨多さん。

宮城県・石巻市で津波から逃げ遅れ、児童・職員84人が犠牲になった大川小学校を取材し子どもを亡くした親の思いなどを伝えました。

長野大3年生 浅野奨多さん
「防災意識とは“死にたくない”、また“死なせたくない”という気持ちとおっしゃっていました。失われてしまった命やこの地震から得た教訓など無駄にせず次につないでいける貴重な機会だと思うので、みなさんもきょうここで見聞きしたことを忘れないで」

また、炊き出し訓練では施設利用者が非常食を体験し、障がいのある人が缶詰を開ける際、補助を必要とする場面もありました。

まるこ福祉会小室邦夫 理事
「自分の命はしっかり自分で守る、 大切な人の命を守るということを/障がい者施設の私たちだけでなくて、一番先端で考えている高校生・大学生の企画の力や、日頃お世話になっている地域住民と共に考えていきたい」

【重機講習会】
慎重に小型のパワーショベルを操作するのは、サッカー元日本代表の巻誠一郎さん。

11日、上高井郡・小布施町で開かれた、重機講習会です。

これは、「日本財団 HEROs」が被災地で重機を使って支援活動ができるようにと元アスリートや現役アスリートを対象に実施しているもので、11日は受講生23人が被災地でボランティア活動を行う「日本笑顔プロジェクト」のメンバーから操作方法を教わりました。

稲葉キャスター
「私の後ろでは、タイヤや木材を使った練習が行われています。これらを流木やガレキに見立てて、 撤去する操作を学んでいます。タイヤのようなドーナツ状のものを掴むのが、難しいそうです(タイヤ掴む様子)」

2016年に、サッカーのAC長野パルセイロで活躍した元日本代表橋本英郎さんの姿も…。

元日本代表 橋本英郎さん
「重機があれば、1人ずつが力になれる機会もあるんじゃないかなっていうところで、社会貢献に対して(思いが)あるメンバーが集まっているので、非常に有意義な時間になっています」

「HEROs」は、復興のサポートに取り組む「災害支援チーム」をおととし12月に発足。

去年は能登半島地震で被災した石川県・輪島市などを訪れ、スポーツを通じた交流も行ってきました。

受講生たちは11日の実技講習が終了すると運転資格が取得できます。

4月は石川県・珠洲市で土砂の撤去作業が予定されています。

最終更新日:2025年3月12日 13:00