【特集】自閉症の6歳男の子 家族の思いと成長の日々
特集です。奥州市で暮らす6歳の菅原能次朗くんは、自閉症という障がいがありますが、元気いっぱいの男の子です。ことし春、支援学校小学部に入学した能次朗くん。家族の思いと、成長の日々を見つめます。
奥州市で暮らす、菅原能次朗くん6歳。 父・能興さん、母の雅代さんです。 3歳上の兄・弥太朗くんは、重度障害児。 能次朗くんには、自閉症という障害があります。
能次朗くん しりとり「"る"は、るうこんしんぺー。るうこんしんぺー」
母「るうこんしんぺーって何?」
能次朗くんは2歳半の時、自閉症と診断されました。
母「お兄ちゃんの時よりもショック度はでかかったですね」
多動や、強いこだわり。言葉の習得もままならない日々が続きました。
母「何なに?なに欲しいの?何欲しいか言って」「うまくいかなかったりすると、私も気持ち的に落ち着いて対応できない時とかあるんですけど」
根気づよく向き合う日々が続きました。
ことし4月。能次朗くん入学式の日です。
「捕まえて、捕まえて」
「うわー。かっこいい。やったー」
能次朗くんは、お兄ちゃんと同じ前沢明峰支援学校に通うことになりました。
新入生は例年よりも多い11人です。
「お友達。同級生の子がいっぱいいたんで。仲良くやってもらいたいですね」
「この日をやっと迎えられたなと。始まりなんですけども。まず、入学できたなと、安心しましたね」
期待に胸膨らませ、新しい生活が始まりました。 能次朗くんの通う支援学校には、体が不自由な子や知的に障害がある子たちがいます。
それぞれに特性やこだわりがある子どもたち。先生たちは、その1人1人に向き合っています。中履きと靴下をはかないのは、能次朗くんのこだわりの1つです。
先生
「能次郎くんはやっぱ、意思が強いというか。ちゃんとした意思があるというのが第一印象ですし。何かやりたいという気持ちがあれば、それを表出して、やるって言って、やりますし。逆に、やりたくないことは、やらない。嫌いといって、絶対やらないというところも能次朗くんの特徴で。嫌とかやだとか言えない子も、言えなくてパニックになっちゃうという子もいるので。能次朗くんがそういう風に嫌だとか、やりたくないというのは、それはそれでいいことだなという風には思いますね」
自閉症という障がいがある能次朗くん。何に興味があるのか。家族が日々探し続け、見つけたものがあります。
「とじ、それ何?」「絵を描くことです」
「何それ?おめ目。怒ってんの。すごい、すごい」
「(絵は)一番食いつきもよくて、絵、好きなのかなと思って」
7月。学校の授業で「暑中見舞い」を書くことになりました。 真っ白な紙に、自分の世界が広がります。能次朗くん。集中しています。
能次朗くん「もっと描く」
母・雅代さんは、描く絵に、本人の人となりが映し出されていると感じています。
母「これは能次朗の表現だから。能次朗という人が明るい楽しい子なんだよというのを分かってもらえればいいかなとか思ってましたね。
絵が語る成長の日々。 能次朗くんはいま、カラフルな心と共に元気いっぱいに育っています。