【挑戦】難病抱えて 写真 アーチェリー チャレンジ続ける男性 岩手県久慈市
特集です。
「クローン病」という難病を抱えながら暮らす男性がいます。
写真家、アーチェリーなど様々な挑戦を続ける岩手県久慈市の男性を取材しました。
カメラのファインダーをのぞき込み、写真を撮る男性。
久慈市の新井栄司さん52歳。
実は難病を患っています。
「クローン病」という病気のため、消化が悪いものは食べることができません。
新井さん
「今のところ固い物食べるとなんでお腹痛くなるのかとか手術して治るかどうかというのが今の医学ではわからなくて…」
「クローン病」は人口10万人あたり、およそ30人という割合の人が患っている難病です。
新井さんは高校2年生、17歳の時に「クローン病」を発症しました。
新井さん
「17歳だったもんでこの先の人生はどうなってしまうんだろうっていうぐらい悲観した」
食べたいものも食べられない。
そんな生活を35年にわたって続けています。
新井さん
「クローン病の患者って外から見ると分からないっていうか、健康な人と変わらない、いつか治る病気って思っていて、その時になったら好きに色んなもの食べたいなって前向きに思っている」
写真撮る
そんな新井さんは20年ほど前から風景を撮影するアマチュアの写真家として活動しています。
元々、長野県に住んでいましたが、東日本大震災の後、被災地の写真を撮影するようになり、おととし、久慈市に移住しました。
新井さん
「奇跡の一本松が撮りたいと思って、最初それがきっかけで (岩手の方に)来たが、その時に沿岸地域の復興していく様子を 追加撮影で何回も何回も(岩手の方に)来るようになって沿岸地域であったりとか普通の風景写真を撮ってみたいと思って、それでこちらの方に移り住んできた」
新井さんが初めて岩手の被災地で撮影した陸前高田市の「奇跡の一本松」です。
被災地を明々と照らす朝焼けに力強くたたずむ希望の象徴の一本松。
暗い夜でも月あかりの中で、被災地を見守り続ける一本松。
どちらの写真もまだレプリカになる前、津波に耐えて生きていたころの一本松です。
新井さん
「今は(一本松は)モニュメントに なってしまったが、生きている頃の一本松を作品で 表現できた」
新井さんは震災に負けず、復興が進んでいく被災地の様子を知ってもらいたいと、31の都道府県でおよそ50回、写真展を開いてきました。
新井さん
「自分の中でも悲壮感のないっていうのをテーマに撮影していて、これからは安心して暮らせるような作品を 自分の作品、写真として撮影して表現できたらいいなと思っている」
アーチェリー
ことしの春から新たに挑戦し始めたのがアーチェリー。
新井さん
「アーチェリーの選手が集中力を鍛えるのが一番いいかなと思うのと、もともと興味があったというのもあって、それでアーチェリーを始めてみたいなと思った」
この日は初心者が安全に競技できることを示すグリーンバッジのテスト。
360点満点中、200点以上で合格という試験で、このバッジがあれば公式戦にも挑戦することができます。
結果は306点で合格。
新井さん
「次からがいよいよ実戦、そっちの方は全部50メートルで出たいなと思っていて、普段は50メートルであまり練習はしていなかったので、少しずつ距離をのばしていって50メートルで完成度を高めていけたらいいなと思う」
新井さんは先月行われた、県民体育大会に参加し、見事、3位入賞。
次は10月に行われる公式戦に向けて練習しています。
難病を抱えながら挑戦し続ける新井さん。
持ち前の明るさでこの先もチャレンジしていきます。