【凱旋】古里の応援背に 震災がきっかけ 岩手県宮古市出身の女子プロレスラー MIRAI(伊藤充礼)さん
続いて特集です。
震災直後に観たイベントがきっかけでプロレスラーになった岩手県宮古市出身の女性が30日、地元で凱旋試合に臨みました。
盛り上がりを見せた試合と彼女の想いを取材しました。
試合映像(宮古出身女子プロレスラーMIRAI)
(川井小学校外観)
「おはようございます」
6月27日木曜日、宮古市川井の小学校を訪問したのは…
MIRAIさん
「プロレスラーをやってます」
宮古市出身のプロレスラー「MIRAI」こと伊藤充礼(みらい)さんです。
東京を拠点に試合のため全国各地を巡っていて、この日は子どもたちと体を動かしてふれあいました。
(ふれあい)
宮古市の沿岸部、重茂地区出身のMIRAIさん。
小さい頃から運動が好きで、お兄さんの影響もあり、小学校4年生から柔道に打ち込んできました。
そんなMIRAIさんが5年生の時、東日本大震災が発生。
自宅周辺にも津波が押し寄せました。
MIRAIさん
「小5ですね。小5の時に震災です。おうちは高いところにあったんですけど、家が漁業ををやっているので、船とか小屋とかは流されちゃったので」
大きな被害を受けた宮古。
そんな中、新日本プロレスが市内でチャリティマッチを実施。
MIRAIさんはそこで初めてプロレスを観て驚きました。
MIRAIさん
「それまで全然プロレスを知らなかったので、柔道の後輩に行こうって誘われて行って、衝撃って感じ。空気違うし引き込まれるし、どよーんも変えてくれるし…なんかキラキラしてました」
元気をくれたプロレスに夢中になりました。
親を説得して高校卒業後、自らプロレスラーになることを決意。
初代タイガーマスクで知られる佐山聡選手らの励ましを糧に若手のトップ選手に成長し、今回、ふるさとで念願の凱旋試合に臨むことになりました。
「MIRAIちゃん頑張ってー!」
(当日の会場外観)
迎えた30日の試合当日。
朝、MIRAIさんはスタッフと一緒に会場の宮古市民体育館に一番乗りしました。
会場の設営も大事な仕事のひとつ。
地元の人たちに喜んでもらいたいと、ロープの張り具合を入念に確認します。
そして…
(入場)
ついに迎えた凱旋試合。
会場のボルテージが上がります。
客
「MIRAI!MIRAI!」
(コール)
「163センチ60キロ…ミライー」
(ゴング)
(試合序盤)
タッグマッチ30分1本勝負。
試合は徐々に激しさを増していきます。
(MIRAIさんボディスラム受ける)
懸命に戦うMIRAIさん。
会場に駆け付けた両親はリング上の娘をじっと見守ります。
試合はさらにヒートアップして場外乱闘に!
目の前でイスに叩きつけられるMIRAIさん。
見守る方も気が気ではありません。
(試合劣勢)
その後も苦しい展開の連続です。
しかし…、地元の声援がMIRIさんを力強く後押ししました。
そして…
(勝つ)
試合開始から18分24秒。
ラリアットからのエビ固めで、凱旋試合を見事、勝利で飾りました。
父 伊藤邦彦さん
「やっぱり地元でやるとなると、ちょっと気持ち的に…はらはらしました」
母 伊藤まり子さん
「ケガしなきゃ良いなと思ってみてました。でもすごい夢がかなったので、幸せ者だなと思います」
来場した子
「強かった」
親
「女子プロレスラーになるとは言ってますね」
MIRAIさん
「(プロレスに)勇気をもらったというのが自分はずっとあるのでプロレスラーになった今は、それを今度は自分がする番だなって」
震災で暗くなった気持ちをキラキラしたものに変えてくれたプロレス。
その魅力を多くの人に伝えたいとMIRAIさんは歩み続けます。