【岩手山】噴火警戒レベル「2」(火口周辺規制)に引き上げ入山禁止に 大地獄谷付近で山体膨張を観測
火山活動が活発になっている岩手山で新たな動きです。仙台管区気象台は2日、岩手山の噴火警戒レベルをこれまでの1から「2」に引き上げました。岩手山がレベルが2になるのは、現在の警戒レベルが運用されてから初めてで、山の入山禁止となりました。
網張登山口で記者
「ここからは雲に覆われて山頂の様子が確認できませんが、岩手山の噴火警戒レベルが初めて2に引き上げられました。警戒レベル引き上げを受けてこちら雫石町の登山口では、入山を規制する看板が設置されています」
2日午後3時。仙台管区気象台は、岩手山の噴火警戒レベルを5段階のうち一番低い「1」から火口周辺を規制する「2」に引き上げました。
岩手山ではことし2月から山が膨張していることを示す地殻変動が観測されたほか、付近の山では5月ごろから火山性地震が頻発し、「火山活動が高まっている可能性がある」と指摘されていました。
岩手山山頂から、西におよそ2キロの「大地獄谷」。105年前に小規模な噴火が起きた火口です。国土地理院が先月末、衛星で観測した結果、「大地獄谷」の火口からごく浅いところ、300メートルほど下の場所で山が膨らんでいることが分かりました。
このため、仙台管区気象台では、火口から半径2キロの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があり、警戒が必要だとしていて、岩手山の7つの登山口と、別の山から岩手山につながる分岐点が、立ち入り禁止になりました。
齋藤徳美 岩手大名誉教授
「今の状態で言えば、人の住んでいる所に直接的な影響はないと推定しています」
なお県は、「災害特別警戒本部」を岩手山周辺の盛岡市、八幡平市、滝沢市、雫石町に設置して、引き続き警戒にあたっていくことにしています。