×

狂言師・野村萬斎さん演出の喜歌劇「こうもり」 舞台を日本風にアレンジ 「おしん」のイメージも

2023年10月30日 17:40
狂言師・野村萬斎さん演出の喜歌劇「こうもり」 舞台を日本風にアレンジ 「おしん」のイメージも

狂言師・野村萬斎さんが演出を手掛ける喜歌劇「こうもり」の公演がことし12月に山形市で行われます。喜歌劇の演出は初めてという野村さん、山形公演まで残り2か月を切り、稽古が行われている東京都内の劇場にYBCのカメラが入りました。

10月26日、東京都豊島区にある東京芸術劇場です。12月に山形市で上演される公演に向けて熱のこもった稽古が続いています。
上演されるのは、ヨハン・シュトラウスⅡ世が手掛けた喜歌劇「こうもり」、1870年代のヨーロッパが舞台です。
仮装舞踏会の帰り、主人公のアイゼンシュタインは酔っぱらった友人のファルケ博士を「こうもり」の仮装のまま道端に置き去りにし、恥をかかせてしまいます。それから3年後の大みそかに、ファルケ博士はアイゼンシュタインに仕返しを計画、劇中では、そこから巻き起こる騒動の数々を描いています。

野村さん指導「円になって・・・もうちょっと長く」

演出を手掛けるのは狂言師の野村萬斎さん。喜劇的要素をもつ歌劇、いわゆる「喜歌劇」の演出をするのは、初めてです。
元々は、ヨーロッパの温泉地が舞台ですが、今回は、畳を使ったり、小道具の食器をお椀やおちょこにしたりして、舞台を明治時代の日本風にアレンジし、より親しみやすい内容となっています。

狂言師・野村萬斎さん「外国のものを持ってきて日本でコスプレしてやってますではなくて日本人ならではの感性に訴えるようなやり方はないかというのが演出の意図」

山形ならではの演出もー

野村さん「山形公演を意識してアデーレという女性のお手伝いが出てくるが『おしん』に見立てている。そこからのシンデレラストーリーもこの作品の1つのストーリーとしては太いところ。昭和から令和まで生きているみなさんに共感してもらえるような小ネタ・大ネタがたくさんつまっている。今までのオペラファンも見たことがないようなものが見られると思う」

喜歌劇「こうもり」は12月17日に山形市のやまぎん県民ホールで午後2時に開演予定です。