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山形県の吉村知事5選目指し正式に出馬表明 候補者擁立に至っていない自民党は近く対応を決定へ

2024年12月6日 18:25
山形県の吉村知事5選目指し正式に出馬表明 候補者擁立に至っていない自民党は近く対応を決定へ

吉村美栄子知事は、6日の山形県議会本会議で、1月に告示される県知事選挙に5選を目指して出馬することを正式に表明しました。一方、候補者擁立に至っていない自民党は、近く対応を決める見通しです。

6日午前10時に開会した県議会12月定例会の本会議。自民党の森谷仙一郎県議が代表質問に立ちました。

自民党・森谷仙一郎県議「吉村知事にあらためて伺います。5期目の出馬のどのように考えているのか、ご自身の言葉でお願い致します」

1か月後に迫った知事選への出馬について問われた吉村知事は、7月の大雨災害に対する思いと共に、出馬を表明しました。

吉村美栄子知事「私自身、市町村とともに被災者の皆さんに寄り添いながら1日も早い復旧・復興を成し遂げたいとの思いをさらに強くしているところであります。このため、この度、私は来たるべき来年の知事選挙におきまして、県民の審判を仰ぐ決意を固めたところであります」

4期目の最後の年となったことし、吉村知事は次期知事選への態度を明らかにしてきませんでした。

吉村知事(現時点で知事選出馬の意向は?)「あ、ちょっと、いま、申し訳ございません」

そして、これまでの知事選などで対峙してきた自民党に配慮する言動も。

吉村知事「山形新幹線の新しいトンネルが実現することを全力で進めてまいりたいと思っているところでございます。遠藤利明先生、この場をお借りして、どうか引き続きよろしくお願い致します」
こうした中、7月下旬の記録的大雨で庄内・最上を中心に甚大な被害が出ました。

吉村知事(知事の任期満了まで8月13日に半年になる。5期目についてどのように考えているか、いつ頃までに判断するのかお聞きする)「この度の豪雨災害が発生してからは全容把握と復旧・復興に当面、全力をかけていかなくてはいけないと思っている。自分のことは考えている暇がない状況」

10月、急きょ行われた衆議院議員選挙。知事は、自民党候補3人の事務所を訪問し、激励しました。

吉村知事「本当に、皆さん驚かれていると思います。私も大変緊張してまいりました」

これまでにはない異例の行動でした。7月の大雨災害で、政府は激甚災害の指定を早々と決定。その「恩返し」なのでしょうか。

吉村知事「いろいろなお力添えをいただいたのが遠藤先生であります。本当に心から感謝申し上げます」

そして11月中旬以降、出馬の意向が明らかになると、最上・北村山地域の合わせて12市町村長が知事選への出馬を要請しました。

吉村知事「ありがとうございます。今は前向きに熟慮中ということでございまして…」

そして、6日の県議会で、5回目の当選を目指して正式に出馬表明した吉村知事。次期知事選への出馬を表明した候補は初めてです。

吉村知事「もちろん災害からの復旧・復興は重要だし、物価高騰、人口減少、人手不足、様々な課題が山積している。そういうことに対して全身全霊でしっかり取り組んでいかなければならないという決意を新たにしている」

また、これまで受け取ってこなかった退職手当について、吉村知事は「大雨の被災者の方々に寄り添い、全力で復旧・復興に取り組みたいため、もらえる状況にない」として、今回も受け取らない方針を明らかにしました。
吉村知事の出馬表明に対し県議会の各会派は、どのように受け止めたのでしょうか。知事を支えてきた県政クラブは、これまで4期16年の県政運営を評価した上で、選挙でも引き続き支援する予定です。

県政クラブ・木村忠三県議「あらためて吉村知事にエールを送りたい心境。後援会とも思いを1つにして選挙戦に向かっていく」

共産党県委員会の本間和也委員長は「県民の命と暮らしを守るこれまでの姿勢で県政を前に進めるのであれば、党としても支援していきたい。選挙への対応は協力団体などとも協議の上で決定したい」としています。

一方、公明党は、災害や新型コロナウイルスへの知事の対応を評価しながらも、副知事の人事案やフルーツステーションの事業案の撤回などを課題として挙げました。

公明党・菊池文昭県議「意見の調整だったり、考えを聞く、雰囲気を感じるところに少し課題はあったと思う。選挙は自民党がどう考えるかということを注視する」

前回の選挙で対立候補を擁立した自民党ですが、今回は現段階で候補の具体化には至っていません。こうした中、自民党の県議が6日午後、農業分野の災害復旧や高騰する費用への対策について、吉村知事に提言書を提出しました。

自民党・森谷仙一郎県議(Q・知事選の告示まで1か月ほどだが)「もうすぐでしょうね。すぐに、という状況で、皆さんに説明しなければいけないという責任は持っている」(Q・説明するというのは擁立しないということ?)「そういうことではない。どういう状況になるにしろ、説明はするということ」

自民党県連は近く、党員などに県連の考え方を説明した上で、知事選への対応を決定する見通しです。
1月9日に告示される県知事選。選挙戦になった場合、投開票は26日に行われます。自民党を含め、対抗馬は現れるのか、吉村知事が2017年以来の3回目の無投票当選となるのか、告示まではおよそ1か月に迫っています。大きく動き出した政治決戦、今後の動きが注目されます。

最終更新日:2024年12月6日 18:36