統一地方選 首長選…主要な自治体で新たなリーダーが カメラが見つめたやまがた2023
ことし1年の出来事を振り返る「カメラが見つめたやまがた」です。4回目は県内の主要な自治体で新たなリーダーが決まるなどさまざまな「転換」も生まれた「政治と選挙」に焦点を当てます。
4年に1度の統一地方選挙が行われたことし。その第一ラウンドとなったのは県議会議員選挙だった。43議席中、新人候補の当選が14人。女性議員は過去最多の6人が当選した。
山形市区でトップ当選伊藤香織氏「しっかりと役目を果たしていかなければいけないと決意を新たにした」
また、夏の酒田市長選挙では前の副市長・矢口明子さんが無投票で初当選し県内初の女性市長が誕生。女性の政治参加が印象的な年となった。
9月に行われた内閣改造では県選出の国会議員が相次いで主要ポストに抜擢された。
農林水産副大臣に就任鈴木憲和議員「僕は農林水産業のために政治家をやっているのでしっかり取り組みたい」
県3区選出の加藤鮎子衆院議員は岸田政権が目玉に据える子育て政策のトップに抜擢された。
こども政策担当大臣に就任加藤鮎子議員「地方の少子化に歯止めをかけていく視点は 常に持ちながら、政府の一員として頑張っていきたい」
一方、ことしは県内でも人口の多い自治体でリーダーを決める選挙が行われた。
山形市・人口24万2132人(県内1位)
3期目を目指し、立候補した佐藤孝弘さん。
「キーワードは持続可能な街づくり。どこに住んでいても安心だねという街づくりを進めていきたい」
健康医療先進都市の推進などを掲げた佐藤市長に対し非自民系の間では「目立った失政がなく対抗馬は立てられない」との考えが広がった。結果は、唯一立候補した共産党系の候補に5万票差以上をつけての圧勝。県都・山形市の市民たちは現市政の継続を選択した。
新庄市・人口3万2515人(県内8位)
9月の新庄市長選で大きな争点となったのが市内に設置が検討されている「道の駅問題」。
現職・山尾順紀氏「大型道の駅、これはいかがなものかと」
新人・津藤真知子氏「道の駅の実現がまず第一」
新人・山科朝則氏「深い議論をして方向性を作っていきたい」
現職の山尾さんは多額の整備費用を理由に、大規模な道の駅の建設を断念。一方、自民党県連が推薦する津藤さんと吉村知事から支援を受けた元県議の山科さんは整備に賛成の立場で舌戦を繰り広げた。
新庄市民の選択は…
官民一体となった道の駅の整備を掲げた山科さんが初当選。山科新市長は中断している道の駅の検討会を早期に再開させるべく動き出している。
米沢市・人口7万8232人(県内4位)
ことし最も注目された選挙の1つが米沢市長選だ。元衆議院議員の近藤洋介さんは前回わずか24票差で現職に敗れて以降、地域の声に耳を傾けてきたと強調した。
近藤洋介氏「県内でも最高水準の子育て教育環境を皆さんと作ってまいります」
一方、自民党県連などが支援したのは元米沢市SDGs推進参与の伊藤夢人さん。
伊藤夢人氏「米沢を託す1票を私にお願いします」
合わせて3人が立候補したが、「自民系が支援する伊藤さん」対「非自民系が支援する近藤さん」との構図が色濃くなり、両陣営とも永田町から大物議員が応援に駆け付ける総力戦に。
野田佳彦元首相「今回は心配で心配でしょうがなくて今日応援に来た。残りの3日間が勝負です」
自民党・茂木敏充幹事長「必ず皆さんの力を借りたらこの米沢という街をもっと輝くいい街に出来ると思う」
そして、投開票日。
初当選 近藤洋介氏「1軒1軒歩いた皆さまの顔が浮かんでまいります」
一方、自民党は11月に行われた大石田町の町長選挙も含め、県内自治体のトップを選ぶ直近の選挙で推薦候補が3連敗する痛い結果となった。
自民党県連遠藤利明会長「首長選挙はそれぞれの地域の経緯があってその結果決まるので次の知事選挙や参院選とは必ずしも連動しない」
政治史に詳しい専門家は自民候補の3連敗についてそれぞれの地域の事情を反映した結果とした上で、別の要因も指摘する。
東北公益文科大学門松秀樹教授「このところの物価高などで生活の点で厳しいと感じている人は非常に多くなっていると思う。こうしたことに対する不満や閉塞感が一種、政権批判のような形になってきていることが考えられる」
一方で存在感を増したのが吉村知事。新庄・大石田・米沢と支援した3人の候補が全員当選した。
東北公益文科大学門松秀樹教授「かなり安定的な県政の運営をしているので県内での吉村知事への支持は一定数影響を与えていると考えられる」
およそ1年後には県知事選挙が迫っている。
吉村知事(タイミング的には5選に向けた準備と憶測を呼んでもおかしくないが…)「私自身の選挙はまだ考えが及んでいない」
次の選挙に出るかどうかは明言を避けている。
一方、自民党県連は2013年と2017年の知事選で候補者を立てられず、2年前の前回は擁立した候補が大差で敗れている。
自民党県連遠藤利明会長「山形県の中で次の時代にふさわしい人を出していきたいという思いは変わらない」(いま選定中?)「まだそこまでいかなくて、 今度国会が終わって暮れから年明けにかけてスタートかな」
次なる県内最大の政治決戦「知事選」に向け、さまざまな思惑や駆け引きがすでに繰り広げられている。