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患者の映像などを通報者が送る「Live119」山形市消防で導入後利用は24件 普及進まず

2024年8月22日 17:54
患者の映像などを通報者が送る「Live119」山形市消防で導入後利用は24件 普及進まず

災害や事故現場から119番通報する際、消防が到着するまでの間、通報者が現場や患者の映像をスマートフォンで送信する「Live119」というシステムをご存じでしょうか。山形市などでは導入されて1年以上が経ちますが、操作への抵抗感などから普及が進んでいないのが現状です。

8月19日に山形市消防本部が開いた救急救命業務について検証する会議。この中で、去年4月に運用を開始した「Live119」について意見が交わされました。
「Live119」は、災害や事故現場、それに家庭から通報者が患者の映像や現場の位置情報などをスマートフォンで消防に送信するシステムです。県内では山形市消防本部の管内の他に天童市と上山市、それに酒田市などで運用されています。
災害や事故が起きた現場から消防本部に119番通報した際、通信指令員が「Live119」の使用が必要と判断した場合、次のような案内を行います。

「今救急車が向かう準備をしている。お使いの電話はスマートフォンですか?」「スマートフォンです」「現場状況を確認したいのでスマートフォンの撮影にご協力いただけますか?」「わかりました」

「Live119」の使用に通報者が同意すると、消防から通報者のスマートフォンにショートメッセージが送られてきます。URLを開くとスマートフォンのカメラの映像が消防本部に送られる仕組みです。

デモ「こちらの方で確認できました。この方は心臓マッサージが必要。心臓マッサージのやり方を教えますので、私の指示に従って行ってください」「心臓マッサージは胸の真ん中を押します。手の付け根を胸の真ん中にあててください。もう片方の手をその上に重ねる。真上から押す。5センチ沈むくらい強く押してください」

カメラの映像をもとに消防が患者の周りにいる人に応急処置の仕方を伝えることができます。また、交通事故や山岳遭難の場合は、現場の状況や位置情報を映像とデータで伝えることができます。

通報者が動転してしまうなどして、うまく消防と意思疎通ができない場合でも映像を通して症状や状況を消防に伝えることができるということです。
また、現場に向かう救急隊員も事前に現場の状況などを実際の映像で把握することで救助や処置がスムーズになるといいます。
山形市消防本部管内では去年1年間でおよそ1万8000件の119番通報がありました。しかし、「Live119」を使用する状況になったのは、わずか17件でした。さらにこの17件のうち、実際に利用されたのは7件とほとんど利用がありませんでした。
ことしも21日までに寄せられたおよそ1万3000件の119番通報のうち、実際に「Live119」を活用したのはわずか17件でした。通報の中で映像を使用する必要に迫られたケースが少なかったことに加え、実際に利用に至らなかった理由としては「ショートメッセージが開けないこと」や「電波状況が悪かった」などがあったといいます。
山形市また、市民からは「高齢者には扱いづらい」、「電波状況に左右されることが多い」、さらに、「このサービス自体を知らない」などといった意見が挙がっています

山形市 浅井幹太消防長「我々としても気づかない点、市民の方の意見をいただいたので、それを踏まえて、より良いものにしていきたい」

山形市消防本部では、まだまだ「Live119」が周知されていないのが現状だとして、高齢者を対象にした研修会などを通してPRを図っていくとしています。