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ブランド化目指す「庄内北前ガニ」 生きの良さを回復するための秘策は… 山形県

2024年10月24日 19:18
ブランド化目指す「庄内北前ガニ」 生きの良さを回復するための秘策は… 山形県

今月、山形県内で解禁されたズワイガニ漁で、海水温上昇の影響によってカニの生きの良さが損なわれてしまうことが懸案となっています。「庄内北前ガニ」のブランド化を進める山形県は今シーズンからカニの生きの良さを回復するため、ある対策に取り組み始めました。

今月からズワイガニの底引き網漁が解禁となった県内。

今シーズン、庄内沖でとれる質の高い「庄内北前ガニ」のブランド基準を満たすカニも順調に出荷されていて、豊漁が期待されています。

一方で近年、懸案となっているのが海水温上昇のカニへの影響です。

山形:県庄内総合支庁の担当者「10月解禁してからのカニがどうやら高水温で具合が悪いという話があって」

県庄内総合支庁によりますと、漁が解禁となった10月上旬、カニが生息する海底と底引き網を上げる海面近くの温度差は20度以上ありました。

そのため船に引き上げられるまでの海水の温度差でカニの生きの良さが損なわれてしまう場合が多いといいます。

漁師「底が1℃台。熱いところを通って船まで上がってきてほぼ弱ってる。人間でもへたる」

10月下旬になっても海底と水面の温度差はまだ20度ほどあるということです。

こうした中、水揚げされたカニの生きの良さを回復させるために県庄内総合支庁は新たな取り組みを始めました。

漁協の大型冷蔵庫に冷水器で海底と同じ温度に冷やした海水を入れたタンクを設置ー

その中に弱ったカニを入れて数日置き生きの良さが回復するのを待ってから出荷します。

漁師「寒い」
県庄内総合支庁の担当者「いま水温は2~3℃で管理している。2、3日置けば元気になると思う、いまやっている感じだと」

「庄内北前ガニ」のブランド基準を満たすための条件の一つが、出荷時に生きている「活ガニ」であることーそうしたブランドガニの出荷を増やすために取り組み始めた対策です。

県庄内総合支庁の担当者「庄内北前ガニもかなりストックしていて、このまま庄内北前ガニとして出荷できれば北前ガニではない鮮魚のカニで出すよりは大幅に単価アップが見込めると思う」

新たな対策を始めた今シーズン、鶴岡市鼠ヶ関では「活ガニ」の割合が71%と昨シーズンよりも16%増えました。県庄内総合支庁は今後も海水温上昇への対策を行い、「庄内北前ガニ」ブランドの質の高いカニの出荷を増やしていきたいとしています。