「月面に人が移住する時に必要な技術」 山大重粒子センターとJAXAが放射線測定器を共同開発へ
山形大学医学部東日本重粒子センターは6日、国際月探査計画「アルテミス計画」で宇宙船に搭載される放射線測定器を、JAXA・宇宙航空研究開発機構と共同開発すると発表しました。宇宙飛行士の被ばくの管理などに活用されます。
これは山形大学の定例記者会見で明らかにされました。
アルテミス計画はNASA=アメリカ航空宇宙局が主導する月面探査プログラムで、日本ではJAXAが参加し、日本人宇宙飛行士の初の月面着陸に期待がかかっています。
東日本重粒子センター・岩井岳夫センター長「アルテミス計画という非常に大きな計画で、日本人が初めて月面に降り立つという壮大なプロジェクト。そこで使われる月を周回する衛星の中に搭載する宇宙放射線測定器を開発するということで、JAXAと協力する」
今回、東日本重粒子センターとJAXAが共同研究を進めるのは、宇宙船に搭載する宇宙空間の有害な放射線量を計測する測定器の開発です。
東日本重粒子センターのがん治療装置は、エネルギー量を600段階で調整することができ、宇宙の放射線環境を疑似再現できる機能が備わっていることから、共同研究に至りました。
東日本重粒子センター・岩井岳夫センター長「宇宙空間は地上ではないような放射線が飛び交っている。人がそのような状況でどれぐらい耐えられるのか問題になってくるが、宇宙空間を模擬するために重粒子センターの装置を使う」
JAXA宇宙探査イノベーションハブ・永松愛子参事「月面に人が移住する時に必ず必要な技術ですので、 JAXAだけでなく、民間の宇宙探査技術にも大いに役立つ技術だと思う」
共同研究はセンターで治療のない日に、JAXAの担当者とともに実施されます。3月まで試験を4回実施する予定で、新年度も継続されます。