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書店のない山形県内の町で移動式書店 地域おこし協力隊の女性が取り組む 将来は店舗の開業目指す

2024年6月10日 17:01
書店のない山形県内の町で移動式書店 地域おこし協力隊の女性が取り組む 将来は店舗の開業目指す

書店がない山形県金山町で、町民が本に触れる機会を増やそうと移動式の書店を始めた23歳の女性がいます。夢は町内の空き店舗を利用し書店を開業することー。奮闘する姿を取材しました。

金山町で9日開かれた「こもれびマルシェ」。地元の食材や花、雑貨などの店が並ぶ人気のイベントです。その一角に出店していたこちらのお店。販売されていたのは、さまざまなジャンルの本です。

川村佳恵さん「今日は全部で50冊ぐらい持ってきました」

移動式の書店、『かぷりば』を開いている岩手県出身の川村佳恵さんです。金山町を訪れたことがきっかけで、この春から町の地域おこし協力隊に着任しました。始めたきっかけを伺うとー。

川村佳恵さん「金山町に本屋さんってあったっけ?調べると昔はあったけど今は無くてそれだったら小さく本屋さんを始めたいと思ったのがきっかけ」

書店の数は減少の一途をたどっています。2003年には全国で2万880店舗ありましたが、去年はおよそ半数の1万918店舗にまで減りました。出版文化産業振興財団によりますと、具体的な市町村は公表していませんが、ことし3月現在、県内で書店が無いのは11の自治体、およそ3割に上っています。

訪れた人「本を読んでゆっくりできる書店が無かったので近くにあると助かる。本を買う時は新庄市に行ったり天童市や山形市まで行かないといけないので」

訪れた人「今はネットに頼ってしまうけど買ってみて違うこともあると思うので実際に見て買えるのはいいと思う」

川村さんが販売しているのは、絵本や図鑑のほか、エッセーなど多種多様。町民にアンケートを取り要望に応じながら、大学時代に通っていた東京の書店に協力してもらい本を仕入れています。

「ワニ、クマ、ライオン、女の子もいるね」
「ありがとうございます。大事にします」
(売れましたね?)川村佳恵さん「大変うれしいです」

マルシェでは多くの人が立ち寄り、交流の場にもなっていました。

川村佳恵さん「本を手に取れる場所は身近にあってほしい。みんなが集まって交流が生まれるようなゆっくり話しながら過ごせる書店コミュニティスペースが出来たらいい」

川村さんは、6月末にも町内で移動式の書店を出店する予定で、将来は、空き店舗を借りて書店を開業したいと意気込んでいます。