山形県産サクランボ JAの販売量昨シーズンの4割ほど ふるさと納税2割以上発送できず
山形県産サクランボの収穫シーズンが終盤を迎える中、県内の主な産地の販売量が昨シーズンの4割ほどに留まっていることが分かりました。県は28日、高温に対応できる技術開発などの対策に取り組むことを決めました。
県産サクランボは今シーズン、去年夏の猛暑の影響で実が2つくっついた「双子果」が多く発生し、さらに6月に入ってからの高温により、生育が急速に進んで収穫が追い付かず、実が傷んでしまうケースが多発しています。JA山形中央会によりますと、春先の霜の影響で収穫量が過去最低の9160トンとなった2021年を下回る恐れが出ているということです。
こうした中、県は緊急の対策会議を開きました。県によりますと、26日現在、県内のサクランボの主な産地がある6つのJAの販売量は、去年の最終的な実績と比べて43%に留まっているということです。
県農林水産部星里香子部長「6月中旬に最高気温が30度を上回る日が連続し高温の影響で収穫がさらに早まり熟しすぎた果実など障がい果が徐々に増加し結果的に多くの収穫ロスが発生した」
こうした状況を踏まえ、県は、高温に対応するための技術開発の検討や、双子果発生を予防するための講習会の開催などといった対策に取り組んでいくことを決めました。
吉村知事「災害ではないかという声も聞かれる状況を把握して原因要因を分析して技術支援や設備への支援や資金繰り支援などに全力で取り組んでいきたい」
また、会議では、県が全ての市町村に対し、ふるさと納税の返礼品への影響を調査した結果も報告されました。それによりますと、今年度発送予定だった返礼品のサクランボおよそ33万6000件のうち、2割以上となる7万6000件で予定通り発送できていないということです。各市町村では、他の返礼品に変更したり、寄付額を返金したりするなどの対応を取っています。