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全国初導入「ナビレンス」目に障がいがある人でも簡単に2次元コードを読み取れるアプリ・上山市

2024年2月2日 19:09
全国初導入「ナビレンス」目に障がいがある人でも簡単に2次元コードを読み取れるアプリ・上山市

「ナビレンス」というアプリをご存じでしょうか。目に障がいがある人でも2次元コードを読み取りやすくするものです。上山市では去年8月から市の広報誌にナビレンスで読み取れる2次元コードを掲載しています。全国で初めてだという市の取り組みと実際に利用する男性を取材しました。

中川アナ「こちらは上山市の広報誌です。右下にはよく目にする2次元コードが掲載されています。こちらは目の不自由な人でも市の情報にアクセスしやすくなっているんです」

ナビレンスはスペインで開発された視覚障がい者向けの支援アプリで、離れた場所からでも2次元コードを読み取ることができるのが特長の一つです。上山市では去年8月から全国で初めて市の広報誌の表紙にこのナビレンス対応の2次元コードを掲載。読み取ると市のホームページにアクセスできる仕組みです。

上山市シティプロモーション係・山科和生係長「視覚障がい者の市民から問い合わせがあって非常に使いやすいアプリがあるのでぜひ紹介したいとお話を受けた。実際にご紹介いただいて非常に使いやすくて感動した」

市にナビレンスを紹介したのが市内で妻と2人暮らしをしている木村清さん(76)。網膜色素変性症という進行性の難病で20代のころから視力が落ちはじめ40代になるころには完全に目が見えなくなりました。

視力を失ってからは、日常生活の中で人に質問することを躊躇するようになったといいます。

木村清さん「長い話は説明はとてもじゃないけど理解できない。そうすると繰り返し聞くしかない。(お互い)ストレスになる。失礼かなと思ってしまう」

インターネットで自力で情報を得ようにも通常の2次元コードは読み取るのが困難だといいます。

木村さん「(2次元コードが)掲載されているところが分かりません。指さしてもらっても分からない。かつピントが合わないとダメ」

そんな中、木村さんは参加した視覚障がい者の集会でナビレンスの存在を知りました。通常の2次元コードとの一番の違いはコードの場所が正確に分からなくてもその方向にスマートフォンを向けるだけで離れたところからでも読み取れる点です。

木村さん「はい、終わり」「入りました。上山市のホームページに」

サイトにアクセスした後はスマートフォンの読み上げ機能で情報を聞くことが出来ます。実際に木村さんは市のホームページでワクチン接種などの情報をいち早く確認できたといいます。

木村さん「私たちの視野も広がりますし、皆さんと共有する情報も多くなるのでもっともっと楽しい社会になるんじゃないかと思っています」

上山市内の視覚障がい者の人数は昨年末時点で115人。ナビレンス対応の2次元コードの導入後、「使いやすくてよかった」との反響が多くあったといいます。

上山市シティプロモーション係・山科和生係長「都内の方だったが電話をいただいて非常にいい取り組みをしていると声掛けしてもあったこともある。そういった声が直接いただけたのは我々もとてもうれしかった」

また、上山市では避難所の一覧などが記された 防災ファイルを音声化しCDで配布するなど、情報収集の面で障がい者が取り残されない環境づくりを進めているということです。