およそ20年ぶりの復活へ 山形大学が教育学部を2026年4月に設置方針 教員不足解消目指し
山形大学は31日、山形県内の教員不足の解消に向け、教員の養成を目的とした「教育学部」を2026年4月に設置する方針を発表しました。山形大学での教育学部の復活はおよそ20年ぶりです。
山形大学・玉手英利学長「2026年度から、現在の地域教育文化学部を教員養成を目的とする教育学部に改組する構想を現在検討している」
山形大学は31日、臨時の記者会見を開き、2026年4月に「教育学部」を設置する方針を示しました。
山形大学の「教育学部」を巡っては、県外への進学者の増加などを踏まえ、2004年度に廃止され、2005年度に地域と連携した教員養成を目的とする「地域教育文化学部」が設置されました。
21年ぶりの「教育学部」の復活。背景には教員の人手不足に伴い、教員の養成が求められている状況があるといいます。
山形大学・出口毅副学長「人口減少の進行に伴って、教育環境もかなり変化している。そして教員需要拡大による大量採用への対応が必要になっていることで、20年前はそこまで予測ができなかった」
復活する「教育学部」では、小・中・高の教員を養成するコースの定員をこれまでの75人から120人に増やし、理数系に強い教員の育成にも力を入れる方針です。
県内でも、教員不足による教員の需要が高まっています。さらに、近年、教育現場に導入されている情報通信技術・ICTを活用した授業など教育の多様化に対応できる人材を育成することも求められています。
山形大学地域教育文化学部長・中西正樹教授「年々教員に求められる能力が高くなってきている。求められているところに対応することが学部改組における重要な要素」
現在の「地域教育文化学部」は2025年度まで維持され、2026年度に「教育学部」に移行するということです。
一方、吉村知事は31日、教育学部復活について期待を寄せました。
吉村知事「私としては大変喜ばしい動きだと受け止めている。県内あるいは県外から来てもらって、県内で教員として定着をして、人材育成に取り組んでもらいたい」
復活する教育学部の新入生の入学試験は、来年の秋から冬にかけて実施される予定です。