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新型コロナ 5類移行から1年 山形県民の意識どう変わった? 飲食店や介護施設は…

2024年5月8日 17:46
新型コロナ 5類移行から1年 山形県民の意識どう変わった? 飲食店や介護施設は…

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行してから8日で1年となりました。さまざまな制限がなくなる中、私たちの日常にどのような「変化」があったのか山形県内の飲食店や介護施設を取材しました。

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行してから1年。移行に伴い、感染者への対応については検査や外来・入院にかかる医療費は原則、自己負担となりました。感染者の外出については個人の判断となったほか、療養期間は7日間から5日間に短縮されました。また政府による外出自粛要請もなくなり、ことしのゴールデンウイークは県内も県外や海外から訪れる観光客でにぎわいました。
県衛生研究所によりますと、5月5日までの1週間に県内43の定点医療機関から報告された新型コロナの感染者数は合わせて97人で、前の週に比べて124人減少しました。保健所別に見ると、村山で30人、庄内で22人、最上で17人、山形市で16人、置賜で12人となっていて、いずれも前の週より感染者数は減っています。

こうした中、コロナ禍で、売上の大幅な落ち込みなど厳しい状況が続いた飲食店に5類移行から1年が経過しての「変化」を聞きました。

嘉ちゃん・足立嘉浩代表「コロナ禍前の7、8割くらいの売り上げに回復してきている」

山形市中心部にある鉄板焼き店では、コロナ禍は店内で飲食する客がほとんどいない時期もあり、テイクアウトや出前での販売が中心だったということです。
5類移行後、店内への客足は戻ってきましたが、売り上げは十分に回復していないといいます。

嘉ちゃん・足立嘉浩代表「会社の飲み会、10人以上の予約が極端に減った。コロナ自体がこの世から消えたわけではないので、いまだに予約が入ってもそのうちの1人がコロナにかかってキャンセルや延期になることが毎月ある」

5類移行後の外食の機会について、山形市内で聞きました。

女性(20代)「5類移行で飲み会が復活したかどうかは自分の周りでは半々くらい。誘われても断る方は断るし、行く方は行く。仲が良い友だちに誘われたら新型コロナが5類になったので行っちゃおうかと」
女性(10代)「外食は増えた。結構行けるようになって、コロナ禍では我慢していたけど、我慢しなくてよくなった」
男性(40代)「職場でのまとまって何十人という飲み会はほぼなくなった。流れで、大人数の飲み会がなくなったと感じる」

帝国データバンク山形支店によりますと、去年5月から今年4月までに負債額1000万円以上の飲食店の倒産は県内で7件ありました。コロナ禍で減少した売り上げが5類移行後も思うように回復していないことなどが要因となっています。

嘉ちゃん・足立嘉浩代表「普通にここで営業しているだけでは厳しい部分もある。野外のイベントに定期的に出店するなどし、店舗以外の売り上げも確保できるように頑張っていきたい」

この鉄板焼き店では、売り上げが十分に回復しない中、コロナ禍での借入金の返済も経営の大きな負担で頭を悩ませていると話していました。

小坂憲央アナウンサー「こちらの施設建物に入る際に体温測定などが求められています。コロナ禍のときと同じように訪問者は所属機関や氏名体温などの記入が必要となります」

介護の現場でも5類以降からさまざまな対応が模索されてきました。

山形市の特別養護老人ホーム「ながまち荘」では、5類移行から1年が経過した現在も感染防止の観点から面会には制限を設ける対応を取っています。

特別養護老人ホームながまち荘 会田るみ業務主査「職員の対応についてはまだまだマスクであったり出勤前の検温であったり変わらない対応。面会は徐々に少しずつではあるが緩和させてもらっている」

コロナ禍前は入居者の部屋を訪れて面会することができました。しかし、現在は感染の懸念が依然としてあることを踏まえ、面会は事前の予約制で、場所も入居者の部屋ではなく別室で時間制限を設けて実施しています。
一方、面会時のアクリル板の撤去や入居者と直接触れ合うことができるようにするなどの制限緩和も行いました。この施設では「ほかの介護福祉施設と比べて面会への制限は厳しいものになっていると思う」と話します。

小坂アナ「ほかの施設は個室とか2人部屋が多い?」
特別養護老人ホームながまち荘 会田るみ業務主査「そうですね。コロナになったとしてもその部屋で対応すればあまり広がらない。ながまち荘は多床室なので4人部屋のうちの1人がコロナになってしまうと瞬く間に広がる」

この施設は1人部屋が8室、2人部屋が4室ある一方、4人部屋が21室と最も多くとなっています。4人部屋は1つの空間に多くの人数が入り感染が広がりやすいため、個室や2人部屋が多い他の施設よりもより厳しい対策が求められているといいます。
利用者の家族からは面会制限のさらなる緩和を要望する声もあるということで、施設では感染の状況を見ながら検討を続けていく方針です。

特別養護老人ホームながまち荘 会田るみ業務主査「緩和をしなくてはいけない、命を守らくてはいけないというところで安全に緩和を図るための検討はしているが1歩ずつ緩和に向け進んでいる」

5類移行から1年が経過しますが、さまざまな場面でコロナ禍前と同じ日常にはまだまだ戻っていないのが実情で、模索が続いています。