長井市の自動運転バス実証実験 本格導入に向けた課題は「雪」 障害物として認識することも
運転手不足の解消などを目指し、長井市で去年12月、自動運転バスの実証実験が行われました。18日間行われた実験の結果がまとまり、将来的な本格導入に向けた課題が浮かび上がりました。ポイントは「雪」です。
長井市の公道を走る一台のバス。「自動運転バス」です。長井市は、2027年度に自動運転バスの導入を目指し去年12月、実証実験を実施しました。
長井市地域づくり推進課 佐藤孝一朗さん「長井市の市営バスでは運転手不足と高齢化が課題となっている。無人化できるバスが運行できれば課題を解決できると考えている」
実験で運行された自動運転バスは、車体に取り付けられた2つのカメラと3つのセンサーで歩行者や対向車などを検知。GPSによる位置情報などを利用しあらかじめ設定されたルートを走行します。今回の実証実験は、運転手が監視する中でハンドル操作やブレーキなどを自動化するシステムで実施。18日間で合わせておよそ400人がバスに乗車し、乗り心地や安全性を体験しました。
「自動で動いてるのがすごい。モニターを見ても手を使っていないのがすごいと思った」「普通のバスのような感覚」「発進も停車もスムーズで乗り心地は良かった」
実験期間を終え、長井市が2月に開催した報告会では、運行状況やアンケート結果が示されました。このうち、アンケートでは利用者の87%が「普通のバスと比較して危険を感じなかった」と回答したほか、54%が自動運転バスを再度利用することを希望すると回答しました。
一方で、課題として報告されたのが…。
長井市地域づくり推進課 佐藤孝一朗さん「やはり大雪や強風など悪天候時は自動運転の割合が低下している」
バスが自動で走行した割合は、雪の少なかった去年12月は90パーセント台で推移しましたが1月は80パーセント前後に低下しました。
運転手が介入した事例では「雪を障害物として認識」が121件と最も多くなるなど降雪や道路脇に積もった雪をどのように回避するかが自動運転バス導入への今後の課題となります。
長井市地域づくり推進課 新野弘明課長「雪の対策としてはなかなか技術的に進まないと難しい。業者の技術的進歩を期待しながら最大の課題はバスの運転手不足。自動運転を実現して課題を解決していきたい」
長井市では新年度も実証実験の実施を検討しています。次回は商業施設などを通るルートを計画し、利用者ニーズの把握を目指すということです。