一部を宿泊施設にリノベーション 伝統文化継承拠点の役割も 山形市の老舗料亭「旧千歳館」
新型コロナの影響で休業している山形市中心部にある老舗料亭「旧千歳館」の今後の利活用の姿について、市が新たに基本設計をまとめました。敷地内には公園を整備し宿泊施設を設ける予定で、2027年度からの供用を目指します。
山形市の中心部七日町4丁目にある「旧千歳館」は、1915年・大正4年に建てられた老舗料亭で、長年にわたって山形の料亭文化の中心を担ってきました。しかし、新型コロナの影響で2021年に休業。利活用の在り方について山形市が検討を重ねてきました。
小坂憲央アナウンサー「こちら長年多くの人に愛されてきた料亭『千歳館』です。今後どのように活用されていくのでしょうか」
小坂アナ「まず気になるのが千歳館の建物ですが、今後どういう風に考えていますか」
山形市 観光戦略課旧千歳館整備室 山崎拓哉主任「千歳館は国の有形登録文化財に登録されているとても貴重な建物で、これから公園整備、建物の内装をリノベーションという形で新しい形で市民の方々に供用できるような形で今準備をしている」
小坂アナ「外観はそのままですか」
山形市 観光戦略課旧千歳館整備室 山崎拓哉主任「基本的には変えずに千歳館の形を生かしながら活用していく」
小坂アナ「1階部分ですけどいくつか部屋がありますよね。こちらは?」
山形市 観光戦略課旧千歳館整備室 山崎拓哉主任「大きな間取りの変更は今のところは検討していないんですけど主に宿泊施設・飲食施設としてリノベーションを考えている」
小坂アナ「こちらの部屋は飲食スペースになる?」
山形市 観光戦略課旧千歳館整備室 山崎拓哉主任「こちらは『松の間』という部屋だが飲食スペースとして活用することで検討している」
小坂アナ「この建物にも宿泊する部屋がある?」
山形市 観光戦略課旧千歳館整備室 山崎拓哉主任「こちらの部屋も宿泊施設の一室としてリノベーションすることを検討している」
料亭の名物となっていた中庭も新しくなるといいます。
山形市 観光戦略課旧千歳館整備室 山崎拓哉主任「こちらが今現在の中庭。こちらは今後公園として整備していくことになっていて、現在真ん中に池があるがこの形を残して枯山水として活用するよう考えている。また、芝生を敷くなどバリアフリーに配慮した地面に変更して皆さんが少しでもくつろいでもらえる公園に整備することを検討している」
このほか庭の右側にある建物はカフェに。左側にある建物は宿泊施設にそれぞれリノベーションされる予定です。
一方、これまで宴会などに使われてきた部屋はそのまま残し、伝統文化の継承拠点としての役割も担います。
山形市 観光戦略課旧千歳館整備室 山崎拓哉主任「海外からの観光客も県内で増えているのでインバウンドの人や国内の方にも山形に興味持って来てもらった人にはこういう所でくつろいでもらえればと想定している」
小坂アナ「こちらは千歳館からすぐそば、シネマ旭があった跡駐車場だったんですが、すでに営業が終了しています。この辺りも景色はずいぶん変わるんですよね」
山形市は七日町の「御殿堰」から「旧千歳館」までの一帯を「粋七」エリアと銘打ち、道路の拡張や区画の整備を行っています。今後、「御殿堰」から「旧千歳館」までを一本でつなぐ小道が整備される予定です。
山形市まちづくり政策課 歌丸元章課長補佐「あちらに今空き地になっている所があるがこの駐車場を横断して千歳館エリアにつながっていく道路になる」
千歳館の敷地内でも一部の建物や塀を取り壊し、外とつながる通路を作る予定で、最終的には飲食店街「花小路」まで一本でつながるようになります。さらに
山形市まちづくり政策課 歌丸元章課長補佐「旧千歳館の前面道路を含めた区間はいま進めている事業終了後に拡張工事の実施をすべくいま調査中」
改修された「千歳館」の運営は山形市の呉服販売業「とみひろ」と施設の再生などを手掛ける兵庫県の企業「NOTE」が共同で行う予定です。来年夏から工事に入り、2027年度中の供用開始を目指すということです。