山形市中心市街地「再開発プロジェクト」のいま 旧大沼跡地、御殿堰エリア、県民会館跡地は・・・
かつての百貨店・大沼が営業していた建物の周辺、そして、かつての県民会館があった跡地ー。山形市の中心市街地にあるこれらの場所で、新たな再開発の計画が動き始めています。山形市中心部の“未来像”をめぐる最新状況を取材しました。
山形市七日町1丁目。
市中心部のランドマークとなっている「御殿堰」の新たなエリアが3月29日、誕生しました。
これまでコンクリートの通路で覆われていた場所をおよそ4億9000万円かけ整備し川のせせらぎを聞きながら中心市街地を散策できるスポットです。
佐藤孝弘・山形市長「御殿堰沿いを楽しく快適に気持ち良く歩ける、そんな整備の一環としてきょうのオープンとなった。1つ節目を迎えた」
山形市中心部では現在、複数の再開発プロジェクトが動き始めています。
「市立病院済生館」とかつての百貨店「旧大沼山形本店」。
新たな「済生館」は現在、噴水などがある敷地内の北側に建て替える方向で検討が進められています。
一帯の再開発は当初、「旧大沼」エリアと同時に行われる予定でしたが、山形市が去年12月に策定した基本方針では、2つの施設を切り離して整備を進める計画が示されています。
山形市まちなみデザイン課・佐藤一大課長(当時)「旧大沼側の街区は複数の地権者がいることから調整に時間を要することになる。旧大沼周辺エリア一帯の開発を進めグランドデザインに掲げる『歩くほど幸せになるまち』の実現に向け取り組んでいく」
「旧大沼」エリアの再開発をめぐってはこのほど、検討区域の地権者がメンバーとなる協議会が組織されました。協議会は、旧大沼を所有する山形市都市振興公社など16の個人・団体で構成されています。
七日町第1ブロック東地区まちづくり協議会・遠藤澄男会長「(協議会の)皆さんは、街を良くしたいという気持ちはお持ちなので、皆さん、賛同している。現計画の段階では。(今後は)地権者の歴史や商売の内容、後継者問題とかいろいろなものが絡まってきますので、それぞれをいかに納得いただいて調整できるか」
山形市と協議会は今後、「どの範囲を再開発するか」「どのような施設にするか」といった内容や資金計画を盛り込んだ基本構想の策定を年度内に目指します。そして、2029年ごろの解体と新たな施設着工を目標としています。
七日町第1ブロック東地区まちづくり協議会・遠藤澄男会長「ありとあらゆる人が来て楽しく時間を費やせる、歴史や文化に触れられる、医療など社会インフラに触れられる、いろいろ混ざったびっくり箱みたいな街が面白いと思う」
2019年に閉館した旧県民会館の跡地、現在は更地となっていて跡地には今後、山形市の新たな市民会館が建設される予定です。
中川悠アナウンサー「おにぎりやラーメンなどきょうは6台のキッチンカーが並んでいます。ここは市役所の向かい側県民会館の跡地です。お昼時ということもあり今も多くの人でにぎわっています」
中心市街地のにぎわいづくりに繋げようと市民会館の着工が予定されている2026年3月まで一般向けに貸し出しを行い、ことし2月、初めてのイベントが開催されました。
訪れた人「ここを通るたびに何かしたらいいのにと思っていたがまさかキッチンカーが並ぶとは思っていなかった」
山形市文化創造都市課・庄司貴洋さん(当時)「新しい市民会館が出来るまで約2年間空く予定だが、こういった形で中心市街地の賑わい創出に繋がればいい」
「御殿堰」周辺では、現在の商業施設の奥、「粋七」エリアの再開発も進行中です。区画整備を行い、2027年度の完成を目指しています。そして「御殿堰」沿いに小道や広場を設け、中心市街地を歩いて楽しめるエリアとして整備する計画です。
佐藤孝弘・山形市長「蔵王・山寺に加えてこの中心市街地も1つの観光ポイントとして歩いてもらえればうれしい」
山形市中心部に再びにぎわいを復活させるため、再開発のプロジェクトは徐々に動きを加速させています。
山形市内ではこのほか、JR山形駅前東口の旧山形ビブレ跡地周辺でも「日本一の観光案内所」の整備を目指す調整が進められています。