大雨で氾濫し大きな被害が出た酒田市の荒瀬川 川底掘削など県が5年間の災害復旧計画示す
7月の記録的大雨で氾濫し、流域に大きな被害が出た酒田市の荒瀬川について山形県は12日、今後5年にわたる災害復旧計画の方針を住民に示しました。
酒田市の荒瀬川は7月の記録的大雨で氾濫し、護岸が浸食した他、国道が崩落しました。さらに、川沿いの住宅や農地は冠水し、大量の土砂や流木で埋め尽くされ、復旧が困難になるなど、大きな被害が出ました。
河川を管理する県は、12日夜、酒田市で災害復旧計画の方針について住民説明会を開きました。計画では荒瀬川流域の北青沢地区から小泉地区までの、およそ13キロの区間で川の防災機能を高めるため、川幅を広げる他、浅くなった川底を掘削する改修工事を行います。対象の区間には、酒田市が管理するものも含めて17の橋がありますが、このうち河川改修で使えなくなる白玉橋など3つの橋を新たなものに架け替え、前山橋など3つの橋を撤去する方針です。その後、県と住民の意見交換会が非公開で行われました。
観音寺コミュニティ振興会 羽根田篤会長(72)橋の撤去については?「それなりに納得はしている。その代わり前山橋の場合だと左岸側に道路を作ると言っている。ただもっと早くして欲しい優先順位で」
下青沢 相蘇弥さん(54)河川拡幅について?「みなさん土地の提供に反対はないと思いますけど次(大雨が)が大丈夫であれば。河川氾濫を2度と起こさないくらいのものをして頂けるのなら。」
この他、住民からは、川の流れを緩やかにする堰堤や、増水した川の水を一時的にためる遊水地などの整備を求める意見も出たということです。
復旧工事は、現在、河川災害復旧事業として国の補助を受ける査定が行われていて、県は、年明けにも設計作業に着手する予定です。工事の方針が決まれば住民に改めて説明した上で用地買収などが進んだところから順次、工事を進めるとしています。工事期間は2024年度から2028年度までの5年に及ぶ見込みです。