条件は「ランチ営業」空き店舗に出店で最大100万円 新規オープン1年で5件 山梨・笛吹市
笛吹市は市内の空き店舗を活用して昼間の営業を始める飲食店に対し、最大100万円を交付する事業を行っています。
空き店舗の解消のほか新たな観光客を呼び込むのが狙いで、1年間で5店舗がオープンするなど効果が表れています。
笛吹市によりますと、この制度は市内の空き店舗へ新規出店する飲食店に対し最大で100万円を交付するほか、2カ月分の家賃についても月額で最大10万円を交付するものです。
制度を利用する条件は「昼営業」を行うこと。
県内有数の観光地・石和温泉郷を抱える笛吹市ですが、夜間営業の飲食店に比べて日中に営業する店舗が少ないと指摘する声があります。
この交付金制度は昨年度から始まり、制度を活用してオープンした飲食店は5月末までに5店舗に上ります。
今年度もすでに1件の申請があるということです。
笛吹市 観光商工課 岩沢正登さん
「新規店舗が出店する一方で高齢化などにより閉店される事業者もいるので、空き店舗の総数の減少には至っていないのが現状。空き店舗が減少することで、地域の活性化や観光地としての魅力向上につなげていければと考えている」
去年9月に笛吹市石和町にオープンした飲食店「みしま」も制度を利用した店舗のひとつです。
店主の中沢勉さんは交付金を使って店内の壁や床の張り替えを行い、昼営業を開始しました。
当初は検討していなかったというランチ営業ですが、徐々に手ごたえを感じているといいます。
「みしま」店主 中沢勉さん
「特にお昼であればラーメンをメインに遠くから来てくれるお客さんもいますし、ランチを食べられる店がかなり少ない。だからもっと色々増えたり、観光客が来ると(ホテルへの)チェックイン前に時間があってどこかでご飯を食べて時間をつぶしたい方も絶対いますし、要望に応えられるのはかなり需要がある」
交付金制度が一定の成果をあげている一方、市によりますと、市内の空き店舗は4月時点で約150件に上っています。
担当者は「さらなる出店を促していきたい」としています。