シャインマスカット“未開花症” 今シーズン初の確認「原因究明に注力」山梨県
峡東地域で今シーズン初となるシャインマスカットの「未開花症」が確認されたことが4日、分かりました。
県は今年の発生は少ないとしながらも、原因究明や発生抑制に向けた研究を強化する考えです。
シャインマスカットの「未開花症」は花のつぼみの段階でとれるはずの「花冠」という部分が残ってしまい、花が咲かずに実が変形してしまう現象です。
県は去年5月から無料通信アプリ「LINE」を活用し農家から発生地域や房の写真などの情報提供を求めていますが、5月31日に今シーズン初の発生報告があったことが分かりました。
県は詳細を明らかにしていませんが、峡東地域の農家で確認されたということです。
シャインマスカットの開花シーズンは例年5月上旬から中旬で、これまでの報告がこの1件だったことから、県は今シーズンの「未開花症」発生は少ないとみています。
一方、国や県は「未開花症」の原因究明に力を入れています。
国はこれまで土壌の固さや排水性が「未開花症」発生の原因と推測していて、その仮説を立証するための実験を山梨などの主要産地が協力して行っています。
通気性を改良した土壌の使用や肥料のバランスを変えるなどして「未開花症」の発生に変化がないか調べているほか、山梨大と協力して「未開花症」が出た個体の遺伝子や養分量を調べています。
県農業技術課 手塚順一郎 課長
「山梨県はシャインマスカットの主産県であるので、未開花症の原因究明にしっかり取り組んで、いいものをブランドの産地としてつくってもらえるように取り組んでいきたい」
県は「未開花症が発生した場合は情報提供してほしい」としています。