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独立リーグ目指す山梨ファイアーウィンズ 元ヤクルト投手を代表に選手編成進む

2024年2月23日 7:30
独立リーグ目指す山梨ファイアーウィンズ 元ヤクルト投手を代表に選手編成進む
打撃をチェックする加藤幹典代表(左)

2025年度からプロ野球独立リーグ「ルートインBCリーグ」への参入を目指す「山梨ファイアーウィンズ」。野球で山梨を盛り上げる―。そんな思いで本格始動した球団を取材しました。

"山梨県民球団"創設 加盟は先送り

2023年6月、山梨の野球界に衝撃が走りました。県庁で記者会見が開かれ、都内の保険代理店が、プロ球団がない山梨を本拠地に、BCリーグへの参入を目指すことを表明。球場の確保などを理由に2024年度の参入は見送られたものの、公募から球団名を決めるなど参入に向けて本格的に始動しました。

年が明け、1月14日。入団選手を選抜する初のトライアウトが甲府市で行われました。参加したのは県内外の約30人。50メートル走や遠投など、身体能力を見るテストが実施されたほか、球団の広報活動なども担う「エンタメ枠」についても募集が行われました。

選手たちの目の色が変わったのは、実戦形式のフリーバッティング。プロ野球・ヤクルトの元投手で、ファイアーウィンズを率いる加藤幹典代表(38)がネット裏から見つめました。選手はそれぞれの持ち味を猛アピールすると、トライアウト終盤には加藤代表がマウンドに。自らの投球で選手たちの打撃を見極めます。

マウンドを下りると、さわやかな笑顔で「調整不足。肩が痛い」と話した加藤代表。「スイングは一度見ているが、これからの子(若い選手)が多いかな」と感想を述べ、「面白い。育てます」と期待を膨らませた様子でした。

選手たちも充実した表情を見せていました。

県内の高校生

「進路をどうしようかと思っているときに、大学もいいと考えたが、より高いレベルでやりたいと思った。今回山梨に独立リーグ(を目指す球団が)出来ると聞いて、自分を試したかった」

県出身の大学生

「いい環で素晴らしい指導者がいるので、野球がしっかりできるのがうれしい。自分の成長につながると思っている」

山梨の野球界の期待を背に 参入実現を

加藤代表は2024年をBCリーグに参入するための準備期間と定めています。チーム運営や球場の確保など課題は山積みと言いますが、 一つ一つ壁を乗り越え、8月のリーグ加盟を目指します。

加藤代表

「(目指すのは)地域に愛される球団。それがBCリーグの掲げる思いでもあるので、山梨県民球団ができてよかったと皆さんに思ってもらえるよう、愚直に選手と行動していきたい」

山梨初のプロ球団として、県民の期待を背負うファイアーウインズ。BCリーグに加入し、野球で山梨を元気にするという挑戦は、始まったばかりです。

トライアウトの合格者は3月14日に発表され、4月から練習がスタートする予定です。

球団名は郷土の戦国大名にちなむ

球団名「山梨ファイアーウィンズ(Yamanashi Fire Winds)」は438件の応募から選ばれ、2023年12月に発表されました。球団名には戦国武将・武田信玄を象徴する「風林火山」にちなんだもので、「風」(Wind)と「火」(Fire)に加え、「勝ち続ける」(Wins)という意味が込められています。

球団名の公募時、イメージカラーをグリーンとしました。

    山梨放送