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プロ26年目の葛藤と決断 甲府レジェンドが現役続行 山梨県

2024年2月20日 19:00
プロ26年目の葛藤と決断 甲府レジェンドが現役続行 山梨県
山本英臣選手(43) 甲府の在籍は22年目に
 サッカーJ2・ヴァンフォーレ甲府で、プロ26年目を迎えるDF山本英臣選手(43)。10年連続で主将を務め、3度のJ1昇格に導くなど、甲府を支え続ける在籍22年目のレジェンドです。

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)やJ2での活躍が期待されますが、現役続行には葛藤も。今季に向けたの決断と意気込みについて、2003年の甲府加入時から山本選手を取材してきた「YBSワイドニュース」の吉岡秀樹フィールドキャスターが迫りました。

「グラウンドに立つのが毎日楽しみ」

吉岡FC

「26年目のプロシーズン。どんな心境か?」

山本選手

「自分としては一年一年やっているだけ。ただ、そういう数字を聞くとちょっとびっくりする。(加入当時)0歳だった子が26歳なので、そういうことを考えるとちょっと長いなと」

吉岡FC

「私が48歳なので、勝手ですが中年の星と思っている。ここまでプロでやり続けるために、コンディションで気を付けていることは?」

山本選手

「その日その日の、体の良いところ悪いところ、そういう異変・変化に気付いて、今一番自分が気持ちよく楽しく毎日を過ごす考え方でやっていると、自然とやる気に満ちてくる。グラウンドに立つのが毎日楽しみ」

葛藤…そして現役続行 頼もしき仲間の存在

 山本選手の契約更新は1月1日に発表。「様々な葛藤があったことも事実ですが、私のことを信用してくれるクラブ、いつも支えてくれる家族、そして私のことをどんなときでも後押ししてくれている全ての皆さんのために全力を尽くす覚悟を決めました!」などとコメントしました。

吉岡FC

「元日の契約更新のリリースの中に“葛藤という言葉があった」

山本選手

「何年とは決めてないが、ある程度家族の中でここまでやってほしいという話もよくしているし、子どもたちにももう少しいい姿を見せたい、というのはやっぱりある。あとは自分が去年感じた悔しさがあり、このまま終わってしまうのは自分らしくないと考えたのが一番大きい」

吉岡FC

「いつごろまでプロで続けたい?」

山本選手

「できるならずっとやりたい。本当は。ただ、自分の中で大事にしていることがある。それは引退したときに話したいと思っているが、しっかり自分の矢印が自分に向かっている状況でずっとサッカーをしていたい。自分の中のその指標とか基準とか大事にしていることが少しでも揺らいだら、その時が、自分から辞めるときかなと思っている」

吉岡FC

「若手選手とのコミュニケーションで心掛けていることは?」

山本選手

「うちには三平(和司選手)がいる。彼が入ってきてくれて僕自身もすごく肩の荷が下りたというか、チームの雰囲気に関して、自分が何もしなくてもいいようにしてくれている。彼の存在は僕の中で大きい」

「史上最大の下克上」天皇杯制覇からアジアへ

 2022年の天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会で、甲府はクラブ史上初の優勝。ACLの出場権を獲得しました。天皇杯決勝では延長後半に途中出場した山本選手が、ハンドでPKを献上。最大のピンチを迎えましたが、GK河田晃兵選手がセーブし、PK戦に。最後のキッカーを務めた山本選手が決め、激闘に終止符を打ちました。

吉岡FC

「(初優勝した)天皇杯はもう2年前。あの試合(決勝)はどういう存在?」

山本選手

「最近振り返れば、ハンドしてPKを蹴って決めただけなので(笑)。なんか自分が最後のいいシーンで使ってもらっただけで、大したことをやっていなかったが、サッカー選手をやってる以上、日本のタイトルを取れるチャンスを与えてくれた仲間とスタッフたちに感謝している。サポーターの皆さんが胸を張れるような結果がずっともたらせられなかったので、一つ恩返しができた」

吉岡FC

「ACLの舞台は?」

山本選手

「最高。他の(クラブの)サポーターもいたが、平日のナイトゲームにあれだけの人が集まってくださり、僕らも武者震いするような声援を送ってくれて、ACLという舞台は最高だと思った」

吉岡FC

「今季に向けて意気込みを」

山本選手

「本当に長いこと応援してもらって本当に感謝している。ACLもあるが、僕たちはJ2を優勝してJ1に復帰することをチームとして目指し、本当に頑張っていく」

吉岡FC

「山本選手のプレーに期待していいですか?」

山本選手

「それは分からないが(笑)、もちろんJ1に復帰して、そこでまたいろんな選択したい。そこを目標に頑張る」

山梨放送