【高い!冬のお金】定番食材に電気にガスまで!いつまで続く価格高騰…さらに円安加速で海外旅行は「早めに行ったほうがいい」?いま人気急上昇中の海外人気観光地を紹介
冬の定番、お鍋やおせちの具材にも値上げの波がきています。猛暑や天候不良、鳥インフルなど物価高にさらに打撃か。そして2024年の年末年始は“奇跡の9連休”!いま予約が殺到している海外の人気観光地とは?さらにアメリカのインフレで円安が加速か?経済評論家・加谷珪一氏の解説です。
■野菜・卵・電気・ガスも高騰!「不測の事態が起こると一気に値段が高騰する」 国からの電気・ガスの補助金も終了で今後の継続はどうなる?
本格的な冬の気配を感じる季節ですが、恋しくなってくるのが、身も心も温まるお鍋です。鍋需要が高まる中、その具材に異変が…。東京のスーパーアキダイでは、大根は平年値69円/㎏でしたが、2024年11月16日には、2倍の135円/㎏に。価格高騰の要因は猛暑や天候不良です。卵は2024年1月は180円/㎏でしたが、11月には280円/㎏となっていて、3か月連続で上昇しています。こちらの高騰の要因は鳥インフルエンザや猛暑だといいます。
(経済評論家・加谷珪一氏)
「根本的にはこのインフレで、今、色んなものの値段があがっていて、養鶏事業者の方は大変なんです。エサ台・電気代・ガス台・物流費もかかるので、今までの値段では採算がとれないという状況があって、何か変動があると価格が跳ね上がるとういう環境にある」
Q.猛暑と鳥インフルエンザもあったので、ダブルパンチになってしまいましたね。
(加谷氏)
「そうなんです。値段が上がりやすいところに、こういう不測の事態が起こると、一気に値段が高騰するということになりますから、そういう特殊事情と、背景にある価格高騰の、この2つを見ておく必要があるのではないでしょうか」
さらにキャベツ・ほうれん草・きゅうりも2倍の金額に…東京のスーパーアキダイだと3本で302円ということで、1本100円以上しています。キャベツも1玉400円~500円と、かなり値上がりしています。
いつまで野菜の高騰は続くのか、スーパーアキダイの秋葉弘道社長は「野菜は2024年11月22日ごろから下がり始め、同年同月末には落ち着くだろう」と話しています。さらに秋には値段が高いといわれていた白菜・ジャガイモ・ニンジンは価格が下がってきていて、この冬にお勧めの食材だといいます。
さらに、おせちの定番食材イクラも高騰しています。2023年は7000円/㎏だったのが、2024年は1万~1万2000円/㎏という、最大5000円アップになっています。イクラが高騰している理由は、サケの漁獲量が減っていることだといいます。
北海道・秋サケの沿岸漁獲量で見てみますと、2014年は約3224万匹だったのに対し、2024年10月の速報値では、約1525万匹と半数以下になっています。水産庁によると、サケ高騰の原因は海水温の上昇や海流の変化だといいます。
そして2024年8月~10月に、岸田政権では「酷暑乗り切り緊急支援」で補助金を出していましたが、10月使用分を最後に終了してしまいます。11月使用料分のガス料金は、東京ガスの標準的な家庭で、前年比274円値上がりしていて、東京電力の標準的な家庭で前月比608円の値上がりとなりました。
Q.選挙の時に野党の方が補助金を継続すると言っていたようですが…
(加谷氏)
「次の国会で補正予算があるので、党内では継続という話が出ていて、そうなるのではと予想していますが、これがいつまで続けるのかなどは、また議論にはなります。当面はもしかすると補助があるかなというかんじです」
■年末年始は“奇跡の9連休”!いま年末年始の海外旅行先で人気急上昇中の場所はケアンズとダナン?気になる2つの魅力を紹介
そして、2024年の年末年始は12月26日~1月5までの“奇跡の9連休”をいわれています。年末年始に海外に行かれる方も多いのではないでしょうか。「HIS」年末年始海外旅行予約動向での人気観光地ベスト3は、2023年と同じで1位はソウル(韓国)、2位は台北(台湾)、3位はホノルル(ハワイ)となっています。
そんな中、海外旅行先で予約急上昇中の場所があります。まずはオーストラリアのケアンズです。2023年に比べ、予約数は約1.5倍に。12月の日中の最高気温は平均31℃で、気分はまさに夏休み。世界最大のサンゴ礁で有名なグレートバリアリーフや、世界最古の熱帯雨林など、大自然が広がっています。
また、大空を体験できるスカイダイビングや、海の中の魚たちと一緒に泳げるシュノーケリングで、アクアブルーに輝く海を堪能できます。日本との時差は1時間で、家族連れを中心に人気のスポットとなっています。
もう一つは、ベトナムのダナンです。2023年と比べ、予約数が約1.7倍に。ベトナムの中部に位置し、日本との時差は2時間で、12月~1月の平均気温は約22℃と比較的過ごしやすい気候です。美しいビーチが点在しており、豊かな自然のアクティビティや、ハン川にかかるドラゴン橋、景勝地の五行山では、中国寺院などの美しい建造物も見ることができます。HISによると、地方空港発着のチャーター便が増え、日本から行きやすくなったことが、人気の理由だといいます。
■海外旅行に行くなら「早めに行ったほうがいい」?トランプ氏が勝利し『トリプルレッド』で円安に…アメリカのインフレで今後の日本の円安はどうなる?
気になるのは為替ですが、2024年11月14日正午前には、一時1ドル156円台で、7月下旬以来の円安水準となりました。要因はやはり、アメリカの『トリプルレッド』です。『トリプルレッド』とは、大統領選で共和党のトランプ氏が勝利し、同時に行われた連邦議会選挙では、上院・下院ともに、共和党が過半数を取ったということです。
トランプ氏の経済政策は、公約として、中国・日本などの輸出に高い輸入関税をかける、また移民を海外に排除すると言っています。これが実行されれば、アメリカは確実にインフレに向かうと加谷さんは話しています。
(加谷氏)
「インフレは物価が上がるということですから、そうなるとアメリカの中央銀行は、その物価上昇を抑制しようとして、金利を上げるはずです。アメリカの金利が高くなると、米ドルで資産を運用して、金利をもらったほうが得だということになるので、ドルを買う人が増えて、円が安くなるということなんですね。ただ、トランプ氏は、金利を上げるなと、FRB・アメリカの中央銀行にムチャ振りする可能性もあるんです。なので、どうなるかが分からないんですが、理論通りにいくと、しばらくは円安になりそうです」
Q.トランプ氏は、本当はドルを安くしたいんですよね?なので円高に誘導したいとなると思うんですが、どれぐらいから、その動きになりそうですか?
(加谷氏)
「まずは関税と移民のところをある程度、目鼻をつけたあと、たぶん為替に目がいくんじゃないかなと私は踏んでいるので、あとになって、この問題は結構大きくなってくるかもしれません」
Q.そうなると海外旅行は、いつごろ行けばいいですか?
(加谷氏)
「今の状態だと、来年にかけて円安になりそうなので、早めに行ったほうがいいということになります」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年11月19日放送)