【独自解説】日本人がホテルに泊まれない!?インバウンド需要で高騰するホテル代に悲鳴!専門家指摘「こうなることは以前から予想されていた」
インバウンド需要の影響で都心部のホテル宿泊費が高騰しています。高騰のワケは訪日客の増加や滞在日数の増加などで、ビジネスホテルの宿泊費はコロナ禍前の約1.5倍も増加。日本人が都心部のホテルを利用できなくなっている状況に。お得なホテル選びのポイントは?経済評論家・加谷珪一氏の解説です。
■ビジネスホテルの宿泊費は“コロナ禍”前から1.5倍増 ホテル料金高騰の3つのワケ
首都圏(東京・横浜)のビジネスホテルの宿泊費(平均客室単価)は、コロナ禍前の2019年9月は1万779円でしたが、2024年9月には1万6409円となり約1.5倍も増加。また、外国人に人気の京都市でも宿泊費は2019年9月には1万3838円でしたが、2024年8月は1万7710円と約1.3倍の価格となっています。
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏によると、ホテル料金高騰のワケは3つあります。
1つ目は、訪日客の増加です。2024年1~9月の訪日客数の推計値は約2688万人でしたが、同年7月の訪日客数は329万人に上り、コロナ禍前の2019年と比べると約10.1%も増えています。この7月の数字だけで2019年の年間訪日客数を超えており、月間の訪日客数としては過去最多でした。
高騰のワケ2つ目は、外国人観光客の滞在日数の増加です。観光庁によると、レジャー・観光目的で日本を訪れた外国人の一人当たりの宿泊費・平均泊数は、中国からの外国人観光客の場合、コロナ禍前の2019年7~9月は平均泊数が6.0泊・宿泊費は4万4583円でした。しかし、2024年同月の平均泊数は7.0泊で、宿泊費も7万7783円と約3万円も増加しています。アメリカからの観光客も同じく、宿泊費・滞在日数が共に上がっています。
(経済評論家・加谷珪一氏)
「欧米の方は基本的に長期滞在が多いです。日本にずいぶん慣れてきているので、滞在日数は増える傾向にあると思います」
高騰のワケ3つ目は、団体旅行から個人旅行にシフトし、宿泊者が都市部に集中したことです。団体旅行だとバスで移動し、少し遠くのホテルに泊まる人も多いですが、個人旅行だと身動きがしやすい都市部に集まるため、値段が上がっていると言います。三大都市圏における外国人の宿泊者数は、2019年7月は678万人でしたが、2024年7月には1039万人と約400万人も増えています。
Q.都市部のホテルに外国人旅行者が集中しているため、日本人客が都市部のホテルをとれなくなっているそうですが…。
(加谷氏)
「これは非常に困った問題で、こうなることは以前から予想されていました。インバウンドが増える前に、絶対にホテルが足りなくなるので作らなければという話は何度もしていて、専門家からもそういう声は沢山上がっていました。ですが、先行投資で大丈夫かといった心配もあり、宿泊施設などの思い切った増加をせずに来たので、こうなってしまったんです。我々日本人が泊まれなくなると本末転倒になってしまうので、考え物です」
Q.大阪なども新しくホテルを建てていますが、それでも足りないですか?
(加谷氏)
「今からでは、相当なペースで作ってもなかなか間に合わない。当面この状況が続くのではないでしょうか」
■お得なホテル選びのポイント!ローサイドホテルやコンテナホテルが狙い目
お得なホテル選びのポイントについて、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、幹線道路やインターチェンジ近くのローサイドホテルやコンテナホテルなど、「外国人観光客の利用が少ないホテルは安く予約できる」と話しています。
また、郊外のホテル(首都圏なら東京・立川市、千葉・船橋市、市川市など)を選択肢に入れたり、宿泊日直前で都心部のホテルの価格が下がることもあるので、常に情報をチェックすることも大切だということです。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年10月22日放送)